精密さを追求するため、あえてミシン縫いを主体として仕立てるレスレストン。その繊細さは驚異的で、襟のステッチを見ても全く乱れがない。
地襟を2枚はぎにし、生地をバイアス(45°)に使うことで襟が立体的に首へ沿うよう工夫している。
剣ボロ部分には手縫いによるカンヌキ留めが施され、強度をアップさせている。
前立てを縫い留めるステッチが見えないように、第2ボタンの下で縫製を止めている。さらに、ステッチを斜めに走らせることでゴミが溜まりにくくする配慮も。細部までこだわりつくした設計だ。
自然なロールを描くため、柔らかにクセづけされた襟羽根。首に沿って前方へ傾斜するよう、襟付けの角度にもこだわっている。
ヨーク下に入る美しいギャザー。背中の可動域を広げて動きやすさを高めるとともに、印象的なアクセントとしても機能している。
カフ部分にもタックではなくギャザーを入れている。このように整ったギャザーを入れるには、高い縫製技術が必要不可欠だ。
ボタンはやや厚めのものを使用している。鳥の足型に付けられている点ともあわせて、ナポリシャツを思わせる意匠だ。
袖山を体の内側へ入れ込みつつ、上側の縫製面を広く、下側を狭くとった独自の袖付けが山神シャツの大きな特徴。腕を上げても突っ張ることなく、快適な着心地に繋がっている。
背ダーツはとらないのが山神スタイル。しかしながらウエストは立体的にシェイプされ、美しい佇まいを築いている。
ボタン付けはすべて手縫いで行い、根巻きの高さをそれぞれ変えている。これによってボタンがホールから抜けにくく、かつ外す際はスムーズになる。
袖口は外側・内側にそれぞれ2本ずつタックが入る。先に向かってややすぼまったカフも上品。
Winter
2025
VOL.343