色気あるクラシックは記憶に残す染が肝
本格派の靴と鞄で隙のない誠実な装いを築く一方で、時には、成熟した男の余裕や“色気”を相手の印象に残したい。深い奥行きと美しさを堪能できる“染め色”レザーなら、その絵画的グラデーションで品性を損なわずに洒落心を仄めかせる。
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BERLUTI/ベルルッティ
官能的な色と装飾文字が感性を揺さぶる
一目で記憶に残るレザーがあるとすれば、ベルルッティを挙げないわけにはいかない。ヴェネチアレザーに、数十種類の色を何度も手仕事で重ねるパティーヌは、唯一無二の風合いを楽しめる。また、18世紀頃のカリグラフィーをモチーフとしたスクリットとも相まって、見れば見るほどその魅力に引き寄せられていく。縦28×横39×マチ7cm。40万5000円(ベルルッティ・インフォメーション・デスク)
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JOHN LOBB/ジョンロブ
吸い込まれる程に美しいミュージアムカーフ
ラスト8000番のセミスクエアトウの名作「チャペル」。踵を高く、ウエストを絞り込みながら一枚革で成型するという、他では真似のできない作りが存在感を放つ。緩いスクエアトウからアッパーにかけての美曲線と、何層にも渡って染め上げられたミュージアムカーフの奥深いマーブル模様が、神秘的な感覚すら感じさせる。25万円(ジョン ロブ ジャパン)
※表示価格は税抜き
[MEN’S EX 2020年4月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)