ローファーの名作「ジェイエムウエストン 180」が大ヒットした理由とは?

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日本一の老舗シューケアメーカー「コロンブス」の全面協力、Begin & MEN’S EX特別編集で好評発売中の書籍『究極の靴磨き』から、その中身をピックアップしてご紹介する。今回は巻末の「デザイン別 磨きがいのある究極の靴カタログ10選」より、こちらの傑作ローファー。

ジェイエムウエストン 180

ジェイエム ウエストン 180
ジェイエムウエストン 青山店 TEL:03-6805-1691

PRODUCT J.M.WESTON 180
MATERIAL CALF
PRICE 10万円
MADE IN FRANCE

アメリカへの憧れが生んだ
フレンチアイビーの金字塔

甲にU字状の切り替えを入れ、その付け根に飾り帯を配したスリップオン、ローファーのルーツには諸説ある。一つがロンドンの老舗靴店、ワイルドスミスが上流階級に向けた室内履きとして1920年代に考案した一足。これがロンドンで流行し、イギリス帰りのアメリカ人が故郷に広めたというもの。もう一つがノルウェーの靴職人が1930年代初頭にオーランド地方の伝統的なモカシンに似た靴をベースに編み出したもので、メンズライフスタイル誌『エスクァイア』にて牛の待機場所(=loafing area)で履く作業靴として紹介された。

いずれにせよ、今は亡きアメリカのネットルトン社がローファーと名付けて販売、サドルの切れ込みに硬貨を挟むスタイルが生まれると1950年代の東海岸の学生の間で爆発的にヒット、アイビーのアイコンとして日本にも上陸を果たした……というくだりは間違いない。

この種子が潮風に乗り、フランスの地で花開いたのがジェイエムウエストンだ。ブランド名をボストン郊外のウエストンから採ったことからもわかるように、製靴技術を習得すべくアメリカへ渡った二代目、ユージェーヌ・ブランシャール氏がかの地への敬慕を忘れることはなかったから、ローファーを加えるのは至極当然の成り行きだった。

ジェイエムウエストンのローファーが一躍脚光を浴びることになったのが1960年代、主役はシャンゼリゼ通りにたむろする若者だった。彼らは父のローファーを素足で履き、リーバイス501に合わせた。

とりわけファッション関係者の好む靴であり、十数年前に手に入れた靴を思い出したように履き始める業界人も少なくない。それはひとえにデザインの普遍性と革の品質の高さゆえである。

ジェイエムウエストンのフィッティングはかつてタイトなことで知られたが、足を包み込むように姿を変える革の経年変化を踏まえたものであり、よそに比べてタイトに攻めてくるのは上質な革を使っている自信の表れである。履き慣らすのに苦労した思い出も蘇って、10年をともにした相棒のヤれた風合いがまた格別だ。

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『究極の靴磨き』

関連記事:日本一の老舗シューケアメーカーが直伝する”究極の靴磨き”とは?【書籍『究極の靴磨き』が発売】

―INDEX―
ChapterⅠ 頻度に応じた靴磨き
おろしたての靴磨き/履き終わりの靴磨き/週に1度の靴磨き/月に1度の靴磨き/半年に1度の靴磨き
ChapterⅡ 短時間でできる靴磨き
1分で光らせる/5分でツヤを出す/30分で鏡面磨きを完成させる
ChapterⅢ 上級者向けの磨きを極める
立体感を出す磨きを極める/アンティーク磨きを極める
ChapterⅣ トラブル対策
キズ編/カビ編/塩吹き編/クレーター編/シミ編
ChapterⅤ 磨きがいのある デザイン別 究極の靴カタログ10選

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『究極の靴磨き』

2024

VOL.341

Spring

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