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〜上質な冒険記〜

『本当の旅の発見は、新しい風景をみることではなく、新しい目を持つことにある』。仏の小説家、マルセル・プルーストの言葉を愛する男、マエカワの旅の記録を不定期連載でお届け。
旅人/マエカワヤスユキ
大分 別府&湯布院
「なんて気持ちのいい自然だろう」大分空港に降り立ち、移動を始めた車窓からの景色に、心がすでに動かされた。山々が連なり、そこここを川が流れ、古き良き、ニッポンの原風景が広がっている。
釣り好きとしては、ルアーを投げ入れてみたい気持ちも湧いてくるが、まずはこの風景に絶対的な癒しを覚えて旅が始まった。
これまで国内を数多く旅してきたが、実は大分は、初めてだ。今回の目的は大きく2つ。「おんせん県」と呼ばれるここ大分の、別府と由布院の昔ながらの温泉地を訪ねてみることと、8月に誕生したばかりのラグジュアリーなリゾートという、新しい温泉宿の形を体験してみることだ。
まずは、別府の町や別府湾が一望できる十文字原展望台から旅をスタート。マエカワ流のぶらり旅を始めようと思う。
【別府】
絶景温泉地の古き、そして新しき趣に浸る。

【AM9:30】at 十文字原展望台
十文字原展望台は、標高500mの高さに位置し、別府湾、別府市街、天候によっては四国まで見えるという絶景ポイント。日本夜景百選にも認定されたパノラマ夜景も人気。国道500号線沿いに入口がある。
十文字原展望台
住所:大分県別府市大字野田字大窪1199-10
【別府】
晴れでも雨でも地元の人で賑わう別府一の老舗、「砂湯」の風情


【AM11:00】at 竹瓦温泉
建築、雰囲気、ノスタルジー、どれもこれもがドンピシャにマエカワ好みです、竹瓦温泉。
別府駅から徒歩10分ほどの別府を代表する老舗の共同浴場。もとは明治12年に創設され、現在の建物は昭和13年に建設されたものだとか。外観も味があるが、中も昭和初期の趣そのままで、実に落ち着けて、そこにいること自体が楽しい。
この日は雨にもかかわらず、地元のお客で賑わっていた。脱衣所をのぞいたら、「どこから来たの?」なんて声をかけられて裸で楽しむ会話一つでも、旅の中身がぐっと濃くなった気がしたよ。
ここの目玉、砂湯も体験。源泉で温めた砂をかけてもらう砂風呂。体中の疲れがいっきに流れ出る感覚が心地よい。周辺では、別府=温泉のイメージを裏切らない温泉処を数多く目にする。
そして、さらに印象的なのが路地裏の佇まい。昔からある飲み屋がどこか懐かしく、散策の足取りも軽い。
竹瓦温泉(たけがわらおんせん)

創設当初は、竹葺き屋根の建物だったが、昭和13年に唐破風造りの瓦屋根を持つ建築になり、「竹瓦」と名付けられたとか。源泉かけ流しで、普通浴は入浴料金なんと100円。砂湯は1030円。別府温泉のシンボル的存在。
住所:大分県別府市元町16-23
TEL:0977-23-1585
営業時間:普通浴6時30分〜22時30分、砂湯8時〜22時30分(最終受付21時30分)
定休日:普通浴12月の第3水曜日、砂湯第3水曜日