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既存のEVの弱点を克服

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ラインナップするグレードはターボS、ターボの2つ。今年中に出力を抑えた4駆モデルと、2020年までにクロスツーリスモのデビューを予定している。

グレードは「ターボ」と「ターボS」という2モデルの設定。パワートレインは、永久磁石シンクロナスモーター(PSM)を前後軸に1つずつ計2基、そして93.4kWhのバッテリーを搭載し、4輪を駆動する。トランスミッションはポルシェ独自開発のものでフロントアクスルに1速の、リアアクスルに2速のトランスミッションを組み合わせており、1速は主にスポーツやスポーツプラスモードで、ノーマルモードなどではオーバードライブギアの役割として2速へとシフトすることでモーターの負荷を軽減しながら、最高速度260km/hで巡航可能な性能を実現している。

タイカン
写真のターボは最高出力500kW(680ps)、最大トルクは850Nmを発揮する。上位グレードのターボSは最高出力560kW(761ps)、最大トルクは1050Nmを発揮。

「ターボ」の出力は、460kW(625ps)、ローンチコントロール使用時には最大500kW(680ps)にまで高まる。最大トルクは850Nm。一方「ターボS」の出力は通常時はターボと同様、460kW(625ps)で、ローンチコントロール使用時には最大560kW(761ps)に、最大トルクは1050Nmにまで到達する。

タイカンの走行イメージ
ターボSは0-100km/hを2.8秒で加速、ターボでは3.2秒で加速する。WLTPによる航続距離はターボSで最大412km、ターボで最大450kmを記録している。最高速度はいずれも260km/h。

0〜100km/h加速は、ターボが3.2秒、ターボSでは2.8秒。0〜200km/h加速はそれぞれ10.6秒/9.8秒となる。EVは一発のタイムは速いが、連続走行はできないと課題があった。そこでタイカンのプロトタイプで0-200km/h加速を26回連続で実施。平均所要時間は10秒以下、一番早いタイムと遅いタイムの差はわずか0.8秒だったという。また、24時間連続走行テストも敢行し、ドライバー交代と充電時にストップする以外は走行を続け、一切のトラブルなく3425kmを走破。そしてニュルブルクリンクのノルドシュライフェ(北コース)において7分42秒のラップタイムを記録している。

充電するタイカン
タイカンは800Vのシステム電圧を備えた初の市販車で、DC充電では航続距離100km分の充電がわずか5分程度で可能となる。また残充電が5%の状態から80%までの充電時間は最短で22分30秒だという

航続可能距離はWLTPモードで、「ターボ」は、381 – 450 km、「ターボS」は、388 – 412 kmとなっている。充電に関しては、11kWのACチャージングをはじめ、最大270kWのDCチャージングに対応しており、5分の充電で(ターボSは5.5分)で100km(WLTPモード)走行が可能という。80%までの充電時間は22.5分となっている。CHAdeMO(チャデモ)規格にも対応しているが、日本にはまだこのレベルの高速充電施設は存在しておらず、ポルシェジャパンではタイカンの国内導入にむけて、2020年半ばより、ABB製の急速充電器を全国のポルシェセンターと公共施設への設置を計画。150kWでの急速充電を可能とする次世代CHAdeMOによって、タイカンの80%充電を30分以内に済ませる能力を備えるという。

気になる価格は、米国では「ターボ」が15万900ドル?(約1615万円)、「ターボS」が、18万5000ドル?(約1980万円)。国内価格はまだ未発表で、日本では2020年から販売される予定だ。



※表示価格は税抜き

文/藤野太一 写真/ポルシェジャパン 編集/iconic

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