ブラウンスーツを軸にドレス/カジュアルを品よく着まわす

森岡 剣持さんは、普段からサイズ感も良く、清潔感もあります。ベーシックな色を用いるのも悪いことではありません。ですが、比較的自由が利く職場を考えると、もっと装いで自分を演出できるはず。今回提案するのは、通勤カジュアルにもタイドアップにも使える「ブラウンスーツ」です。着たことありますか?
剣持 いやぁ、初めてです!
森岡 正統なビジネスシーンにはオススメしません。やはりきちんとした場には、基本のネイビーかグレーが好ましい。ですが剣持さんのオフィスでのドレスコードにはいいでしょう。色自体が柔らかい印象なのでノータイにも合います。正統なスーツでタイを外したままだと、どうしても「あるべきものが無い」状態。井上さんの時(前回)も話しましたが、ノータイにするならば、色や素材で全体を和らげる印象に見せることで、「ちゃんとわかってタイを外している」になりますから。さらにインナーを、シャツではなく、タートルネックニットにしてみましょう。

スーツ、カーディガン、タートルニット上と同じ
剣持 タートル合わせ、新鮮です。
森岡 スーツを柔らかく着崩す手法として、スーツにタートルネックは「ドルチェヴィータ」と呼ばれ人気。カジュアル化に伴って徐々に定着しつつあります。色合わせを渋めにすれば、上品な落ち着きが漂って、スニーカーやデニムなどカジュアルアイテムを使わなくても、十分ソフトな雰囲気に仕上がる。同色のカーディガンと合わせればウォームビズにもなるし、ジャケットを脱いだ際にもエレガントでしょう?
剣持 一着のスーツでも色やインナーでこんなに変わるとは。発見です!

シャツ2万8000円/バグッタ(トレメッツォ)、タイ2万5000円/トゥモローランド、靴14万円/ヴァーシュ(以上トゥモローランド) チーフ〈スタイリスト私物〉
森岡 ブラウンのスーツは、タイドアップもきちんと見えつつ、堅苦しくなりすぎない。ですからオフィスカジュアルな職場では重宝する色ですよ。
剣持 今まであまり着ることのない色同士でしたが、意外と落ちついて見えて新鮮でした。
森岡 カーディガン&タートルのアンサンブル使いも、上品さが漂うのでビジカジにオススメです。
森岡さんから剣持さんへ
着崩せるスーツを知るとアレンジ力が上がりますよ
剣持さんの仕事風景

社内でも、その職種によってタイドアップが多い部署からデニムもOKな部署まで多彩だという。そのなかで、剣持さんらの部署では、ジャケットや革靴をベースに、状況に応じてタイをするとか。「社の上層部とともに動くときは、悪目立ちしないよう、白シャツと決めています」と剣持さん。
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[MEN’S EX 2019年2月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)