つまんだ布をくるくると回転させるようにして、指で巻き込んでいく。
もう一方の手で生地を整えながら巻き込み、小さくまとめていく。
あまり神経質にならず、無造作に手早く巻き込むのがコツ。自然なニュアンスが肝心。
端まで巻き込んだら、形が崩れないように注意しつつ胸ポケへ挿せばOK!
実際に挿すとこんな感じ。巻いた布が花びらのようにヒダを作って、普通のパフトよりも華やかな印象になるのがポイント。シルクのプリントチーフや薄手のコットン、カシミアなど、様々な素材で実践できるテクニックだ。
ベールのように極薄のシルクチーフを“フラワーパフト”で挿してみよう。
極薄シルクの柔らかさを活かして、ふんわりと巻いていくのがコツ。
こんな形に。あとは胸ポケットに挿して微調整するだけ。
挿し方は同じだが、先程のプリントシルクとは一味違った表情に。様々な素材で実践してみてほしい。
まず左手で輪を作り、その上にチーフの中央がくるように乗せる。
右手は写真のように、指を使って仕上げていく。具体的には……
左手の輪の中に指でチーフを押し込むようにして、中央をくぼませていく。
四隅の長さがバラつかないよう、ときどき整えながら……
ある程度の大きさになったら、形を崩さないよう注意しながら左手を抜いて外側へ。
あとは胸ポケのサイズに収まるよう、外からまとめて挿すだけ。
こちらが完成図。パフトに似ているが、こちらはより複雑な表情になっている。ヒダが内側に向かっているのが、前述の“フラワーパフト”との違いだ。ちなみに“マジシャンパフト”とは、指でチーフを押し込むプロセスがスカーフマジックを連想させることからM.E.O.編集部が勝手に命名。
さらに折って四つ折りに。ここでポイントは、チーフの端をわざとズラしぎみにして、ラフな感じに折ること。これがニュアンスの違いに効いてくる。
ここからが普通のTVと違う点。チーフを45°ほど回転させ、端が重なっている部分を上に。その後。向かって右側を左へ折り込み、胸ポケットの横幅に合わせて調整する。
形を崩さないようにしながら、胸ポケの深さに合わせて下側を折り込み、挿せば完成。
実際に挿したところ。途中でチーフを45°回転させたことで、胸ポケットからの覗き方がかなり変わった。チーフの端をバラつかせたのは、ここで無造作な表情を出すため。クラッシュトパフと少し似ているが、こちらは若干端正な印象。TVフォールドでは堅苦しいけど、クラッシュトパフだと少し華やかすぎかな……というときに実践してみてほしい。
その際、自然にできたヒダが崩れないように注意しながら、下側を折り返して半分くらいの長さにし、胸ポケにさせばOK。
普通、クラッシュトパフはチーフの端が重なっている部分を向かって右側に、“袋”になっている部分を向かって左になるよう挿すが、ロレンツォさんは端が袋の前側にくるよう挿している。より無造作な表情を演出するアレンジだ。
定番の挿し方「マルチポインテッドフォールド」をロレンツォさん流に。まずは三角形を作るように、対角線上に畳む。
向かって右側の角を左上へ折る。先端が少し飛び出し、中央の山と同じくらいの高さになるのがちょうどいいバランス。
一般的なマルチポインテッドよりも若干ラフな雰囲気に仕上げるのがロレンツォさん流。折り畳む際も端をきちっと揃えすぎず、挿す際も多少崩してサッと挿している。チーフしかりネクタイの締め方しかり、イタリア人はあえて崩しぎみにして自然に生まれる無造作感を楽しんでいる人が多い。この力の抜けた装い術を身に付ければ、ドレスアップの洒脱さがさらにランクアップするはずだ。