実力派テーラーが語る、新鋭生地メーカー「ドラゴ社」の魅力とは?【NEXTILE Vol.11】

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テーラー 直井茂明さんと山口信人さん

左:テーラー 直井茂明さん
ペコラ銀座にて4年間修業。有名店のビスポークを任されるとともに、伊勢丹にてオリジナルラインも展開する。

右:テーラー 山口信人さん
イタリアでの修業を経て三越伊勢丹に入社後も、ナポリで仕立てを学ぶ。2016年に「ラ・スカーラ」をスタート。

実力派テーラーが語るドラゴの魅力とは?

紡績会社を母体に1973年に創立。老舗ひしめく伊・ビエラではまだ若い存在ながら、近年めきめきと頭角を現している生地メーカーがドラゴだ。本連載では以前、先進の快適性はもとより、仕立て映えや時代性も総じてハイレベルな生地として「ブルーフィール」の魅力に迫ったが、ドラゴの本領は機能性素材のみにとどまらない。今回は若き実力派テーラー2人に、ドラゴ社の生地ならではの魅力について検証していただいた。

「高番手の生地を得意とする生地メーカーという印象。柔らかな服がお好きな方が好まれますね」とドラゴを語り出したのは、軽やかながら、立体美に溢れる仕立てを得意とする直井茂明さん。同ブランドを代表する生地コレクション「ヴァンテージ130’s」を手に取ると、「柔らかいけれど、適度にコシもある。ラペル周りの表情もキレイに出るし、仕立て映えする生地ですね。スーパーの値が120でなく130というのも珍しいですが、もし僕が自分用のスーツを仕立てるとしても、上質で長く着られそうなこの位のグレードが最適です」とコメント。

ミラノでの修業経験をもち、優雅なラインを描く仕立てにファンの多い山口信人さんは、同生地について「高番手ながらも打ち込みがよく、高級感と実用性のバランスに優れた生地。コストパフォーマンスの高さもドラゴらしいですね」と、その魅力を総括。

「今回の2クオリティのほかに、フランネルのバンチブックなどを見ても、無地だけで何色もラインナップされている。これだけ豊かな階調でフランネルを展開するメーカーは滅多にない。色彩へのこだわりを感じます」(山口さん)。

これについては直井さんも、「定番の生地でも、発色の良さにイタリアらしい魅力を感じられますよね」と同調。色彩の美しさと、階調の豊かさと——これはドラゴ社の技術力の高さのみならず、名門から同社へと移籍した生地デザイナー、ピエロ・ランディ氏の感性や、紡績メーカーを母体とし、糸から生産できるスケールメリット、すべての相乗効果によってもたらされる強みといえるだろう。

国による生地の風合いに、昔ほどは明確な違いが見られなくなった昨今。だが、イタリア生地の天性というべき色彩美の魅力を、ドラゴは改めて教えてくれるのだ。

ドラゴの生地のお問い合わせ先

トレッセ TEL:06-6120-7598



[MEN’S EX 2018年7月号の記事を再構成]
撮影/若林武志 スタイリング/四方章敬 文/秦 大輔

※表示価格は税抜き

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