木型=ラストは靴の生命線。いくら素材や仕立てにこだわっていても、ラストが凡庸では決して”名靴”とは呼ばれない。そこでここでは、本誌頻出の名靴たちが採用するラストを、ジャンルごとにご紹介。ここから各ブランドの靴作りに対する思想や美学を読み取ってほしい。
FILE.2 本格靴の凄みを魅せる永遠の名作
ジョン ロブにエドワード グリーン。
英国靴の2大メーカーにおいて、常に根強いファンがいる名作木型。
時代を超越する一足なら、こうした木型から選ぶのも正解だ。
エドワード グリーンの202


ブランドの中核をなす名作中の名作ラスト
同ブランドを代表する大定番ラスト。英国伝統ラウンドトウを踏襲しつつも、程よく細身に仕上げている。とはいえボールジョイントは広めで、日本人の足にも合いやすい。
ジョン ロブの8000


すらりとした木型に鋭角的なトウ
ロングノーズのセミスクエアトウが特徴のラストがこの「8000」。細身にしてシャープなフォルムは、ダブルモンクもぐっと粋な雰囲気に見せてくれる。
ジョン ロブの8695


’90年代半ばに登場したかつての主力ラスト
「8695」は、「7000」登場以前にジョン ロブの主力木型だったもの。7000ほどノーズは長くないが、十分細身で、時代に左右されない均整の取れたフォルムだ。
エドワード グリーンの888


細身ロングノーズのセミスクエアトウ
ビスポークを意識した808の進化版として2002年登場。同じ細身のセミスクエアトウだが、こちらはボールジョイントが広く、タイト感を中和。
[MEN’S EX2018年02月号の記事を再構成]
撮影/平井敬治、宇田川 淳、植野 淳、村上 健、岡田ナツ子、武蔵俊介、久保田彩子 スタイリング/武内雅英(CODE) ヘアメイク/勝間亮平(MASCULIN) 構成・文/POW-DER 文/竹石安宏、吉田 巌(十万馬力)、山田純貴、安岡将文、間中美希子、秦 大輔 撮影協力/モルテーニ東京