見た目はドレス、履き心地はスニーカーの新機軸
働き方が変化し、ドレスコードも様変わりした現在。”本格靴=伝統製法の高級靴”という限定した図式は、当てはまらなくなった。そんな時代を象徴するのが、”本格的に歩く”ための仕事靴である。
スーツ13万5000円〈オーダー価格〉/麻布テーラー(麻布テーラープレスルーム) シャツ1万3000円/マッキントッシュフィロソフィー(SANYO SYOKAI) タイ9000円、チーフ4000円/以上フェアファクス(フェアファクスコレクティブ) 時計80万円/ゼニス(LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン ゼニス) 鞄6万9000円/グローブ・トロッター(グローブ・トロッター 銀座) メガネ3万5000円/シングラス(ブリンク・ベース) ベルト〈スタイリスト私物〉
革新的仕事靴でビジネスをアクティブかつ健康的に
近年多くのブランドが開発している、”本格的に歩く”ためのビジネス靴。その背景にはビジネス環境やドレスコードの変化に加え、技術革新が大きく寄与している。ハイテク素材を用いたソールなどはまさに典型であり、歩き心地はスニーカーと遜色ないほど。だがその真骨頂は、見た目はドレスシューズそのものである点。つまりビジネスに不可欠な品格をキープしつつ、スニーカーなみの運動性と快適さを享受できるのだ。
政府もスニーカー通勤を奨励している現在だが、こうしたビジネスシューズなら会社で履き替える必要もなく、仕事で会う人への礼を失することもないはずだ。そして革新的とさえいえる履き心地は、仕事にアクティブな機動性をもたらし、働き方をも変えてくれるに違いない。
新しい生き方・働き方が今後の足元事情を変える
NIKKEI STYLE
Men’s Fashion Channel 編集長
平片均也さん
「超長寿社会の到来を背景に、健康増進を図るための取り組みが本格化しています。”歩く”習慣の定着を図るスポーツ庁の『FUN+WALK PROJECT』がその一例。人生100年時代の生き方と働き方に合わせて、ビジネス靴のあり方が変わるのも自然なことといえるでしょう」
SANYO YAMACHO / 三陽山長
ドレッシーな風格とスポーティな履き心地を併せもつ次世代仕事靴
ドレス靴と同じ「R2010」ラストを採用しつつ、スニーカー的作りを融合させた「優二」。撥水加工を施したレザーアッパーと、低反発アーチサポート搭載のインソール、そしてオリジナルラバーのアウトソールと、快適さ向上のための様々なスペックが満載されている。セメント製法だが立体的でしっかりした佇まいだ。
どちらがグッドイヤーかわかりますか?
右がグッドイヤー製法の「友二郎」で、左が「優二」。セメント製法ながらもアッパーとソールの間にコバと段差をつけてあるため、クラシックな本格派の雰囲気に。一見ではグッドイヤーと見分けはつかないだろう。
[MEN’S EX2018年02月号の記事を再構成]
撮影/平井敬治、宇田川 淳、植野 淳、村上 健、岡田ナツ子、武蔵俊介、久保田彩子 スタイリング/武内雅英(CODE) ヘアメイク/勝間亮平(MASCULIN) 構成・文/POW-DER 文/竹石安宏、吉田 巌(十万馬力)、山田純貴、安岡将文、間中美希子、秦 大輔 撮影協力/モルテーニ東京