
バーゼル取材 DAY1
オメガの傑作ウォッチから魅力的な新作が続々
オメガ社は今年も、数々の新作をバーゼルワールドに投入し、元気の良いフェアを繰り広げていた。
個人的に興味を引いたのは、「スピードマスター ダーク サイド オブ ザ ムーン アポロ8号」という、ブラックセラミックケースの、全体に黒々とした時計。キャリバー1869というクロノグラフムーブメントの、文字盤側地板と裏側のブリッジ部分に、月面のクレーターなどの凹凸模様を再現していて、ユニークな仕上げとなっている。また視認性を高めるために、針やインデックス数字などに、黄色を使いっていてなかなか鮮烈な印象なのだ。それに合わせられたベルトも黒いカーフにパンチング加工を施し、その下地の黄色がドット模様になっている。
シーマスター オリンピック コレクション マスター クロノメーター(写真4枚)
「シーマスター オリンピック コレクション マスター クロノメーター」は、クラシックな顔立ちながら、METAS(=メタス、スイス連邦計量・認定局)によるマスター クロノメーター認定をクリアしたムーブメントを内包する、信頼のおけるタイムピースとなっている。20世紀初めの時計を思わせるように、オメガのロゴマークが赤くプリントされているのが印象的で、曲面の文字盤に合わせて、センターセコンドの先端が曲げられているのも、往年の時計を思わせるのだ。
また「シーマスター ダイバー 300M マスター クロノメーター」は、同じくMETAS規格をクリアしたムーブメントを持ち、レーザーエングレーブによるウェーブ模様の文字盤、ケースバリエーションは多彩で、セドナゴールドのベゼルを持つチタンとタンタリウムの限定コンビモデルや、ブルーセラミックのベゼルがあしらわれたSSと18Kゴールドのコンビモデルなどがある。

そしてもうひとつ、ブルージーンズレザーのNATOストラップの「レイルマスター マスター クロノメーター」も、なかなかお洒落な時計だ。ブルー文字盤にも布地のような模様のブラッシュ加工を施していて、ジーンズのようなカジュアルさと親しみやすさが雰囲気づけられている。ジーンズに白いボタンダウンシャツ、そしてペニーローファーといった、スタイルにはぴったりだ。
バーゼル取材 フォトギャラリー(写真3枚)
Profile
松山 猛 Takeshi Matsuyama
1946年京都生まれ。作家、作詞家、編集者。MEN’S EX本誌創刊以前の1980年代からスイス機械式時計のもの作りに注目し、取材、評論を続ける。バーゼル101年の歴史の3割を実際に取材してきたジャーナリストはそうはいない。

撮影/岸田克法 文/松山 猛