第6回「バルミューダ」代表取締役社長 寺尾 玄さん[後編]
Profile
加藤綾子 Ayako Kato
1985年生まれ。2008年フジテレビ入社。2016年よりフリーアナウンサーになり、活躍の場を広げる。現在はフジテレビ「ホンマでっか!?TV」、NHK「世界に発信!SNS英語術」にレギュラー出演中。連ドラ初レギュラーとして出演したTBS系日曜劇場「ブラックペアン」も話題に。
寺尾 玄 Gen Terao
1973年生まれ。高校中退後、欧州各国を1年放浪。帰国後10年間音楽活動に携わり、2001年に物作りの道を志し、独学でスキルを取得する。2003年有限会社バルミューダデザイン(現バルミューダ株式会社)を設立。
人からの期待でなく、自分への期待を裏切らない
加藤今はもうデザインからは離れているとおっしゃっていましたが、会社が大所帯になって、経営者として寺尾さんがリアルに葛藤していることはありますか?
寺尾どの会社も扱っているのはアートとサイエンスだと思うんです。僕は世の中は基本的に好き嫌い(アート)で動いていると思っていますが、結果は数字(サイエンス)で計られる。その両輪のバランスの取り方が難しいですね。会社の部門でいえば、クリエイティブがアートで、管理やセールスはサイエンスになりますが、例えば新入社員が一人入ってくるだけで、全体のバランスが変わってしまう。一方で理詰めでなく人間味で売ってくる、セールスマンなのにアーティストみたいな社員もいますし。
加藤どんな社員を採用したいと考えていますか?
寺尾参加してもらうなら、ネガティブよりポジティブな人がいい。できるかわからないけど、できるだろうと思う人と、できないだろうなと思う人がいたら、できると思える人の方がゴールにたどり着く可能性が高いですよね。
加藤商品のクリエイティブは今でも寺尾さんが主になさっていると思うんですが、いいアイデアを生み出す秘訣みたいなものはあるんでしょうか?
寺尾今日初めて地球に来た人のような感覚を大切にしたいと思っています。
加藤それはどういうことでしょうか?
寺尾地球人1日目の状態で世の中を眺めることができたら、不自然なことがいっぱいあって、そこにビジネスのチャンスの山があるんじゃないかなと。ちなみに去年パソコンも辞めたんです。