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日本のE-BIKEシーンを動かすESCAPE RX-E+

このESCAPE RX-E+に、メカニズムの面でこれといって際立った目新しさは見つからない。しかし、見る者を振る向かせる流麗さと自転車マニアをも納得させる緻密な設計を兼ね備えていることは確かだ。フレームと一体感を持たせた同色のバッテリー、グリップと一体化させたコントロールスイッチなどに、電動アシスト車然とした野暮ったさを排除するべくこだわった、後発モデルならではの隙のなさが感じられる。

スポーツ性と快適性のベストバランスを狙った32Cという絶妙なタイヤサイズ、前後ホイールの固定方法に剛性感の高いスルーアクスルを採用してきた点など、妥協のない車体設計はスポーツバイクブランドならではの意地とも受け取れる。心臓部となるモータユニットはヤマハとの共同開発、大容量バッテリーの製造はパナソニックが担当するというアッセンブルもライバルブランドには真似のできない芸当だ。

GIANTの新型スポーツEバイク「ESCAPE RX-E+」の特徴をチェック(写真5枚)

その完成度の高さは試乗してみることでより実感できた。登坂力にばかり目が行きがちなE-BIKEだが、ライバル車との差がより明確に感じられたのは下りルート。スピードの乗った下りでも怖さを感じることは一切ない。制動力に長けた油圧ディスクブレーキと設計を煮詰めたフレームが20kg超えの車体をしっかりとサポートしてくれる。登坂力に力強さは語るまでもなく、平坦路での人の感覚に寄り添ったアシストフィールはスポーツバイクに乗り馴れた人にも受け入れやすいはずだ。

大本命の登場によって一気に高まった、E-BIKEに求められるハードルの高さ。追随するライバルブランドはいよいよ本腰を入れざるを得ない状況となった。ESCAPE RX-E+のデリバリーが開始される来年1月、本当の意味での「E-BIKE元年」が幕を開けることになる。

ESCAPE RX-E+
価格は28万円(税別)。SIZEは445mm(XS)、485(S)mmとなり重さは445mmで20.0kgとなる。カラーはアイスグレイ、ブラックの2種類が設定されている。


文/村瀬達也 構成/アイコニック



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パワフルかつスムーズなアシスト感を演出するモーターユニットはヤマハとの共同開発によるもの。4モードの中から走行状況に応じたベストなサポートを選択できる。

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フレームと同色化された36V-13.8Ahの大容量リチウムイオンバッテリーはパナソニック製。1回の充電により90km(スポーツモード)から225km(エコモード)の航続距離を実現する。

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モバイル器機の充電にも対応する視認性に優れたセントラルメーター、グリップ一体化したスイッチはジャイアントが独自に開発したオリジナルの装備。

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路面の状況に影響されることなく、確実な制動力を得ることができる油圧式ディスクブレーキ。握力に自信のない女性でも軽い力で操作できる。

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フロント&リアエンドには12mmスルーアクスル方式を採用。ホイールの固定力を高めると共に、車軸をフレームと一体化させることで車体剛性の向上も図る。

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