外しの美学を備えたスポーツセダン3選
マツダ アクセラセダン
欧州スポーツセダンも舌を巻く動力性能(写真3枚)
マツダが誇る世界戦略車、欧州では「MAZDA 3」の名で販売し、高く評価されておりCセグメントに分類される。
3代目となる現行型は2013年から5ドアハッチバックの「アクセラスポーツ」とともにセダンモデルが販売されているが、導入当初は1.5リッターのガソリン車(トヨタから技術供与されたハイブリッド車もあり)がメインということもあり、やや地味な存在でもあった。
しかし、その後は堅実と言える改良を繰り返すことで商品力が向上。特に2016年7月に行われた大幅改良(マツダはマイナーチェンジとは呼ばない)によりエクステリア、インテリア、そして動力&操安性能も大きく引き上げられている。
実はターニングポイントはその前年である2015年12月に定評のあるクリーンディーゼルエンジンをセダンに初めて搭載した特別仕様車を発売したことが大きい。最初からロードマップには組み込まれていたことは予想できるが、このクルマの評価が非常に高かったこともあり、翌年の商品改良にも自信が持てたという関係者の証言もあるほどだ。
前振りが長くなったがオススメしたいのはこのクリーンディーゼルエンジンを搭載する「XD(クロスディー)」系である。”系”と書いたのは現在のアクセラには1.5リッターと2.2リッター、2種類のディーゼルが設定されているからだ。
その中でもスポーツセダンとしては2.2リッターエンジンを搭載する22XD、さらに言えば上級装備を搭載する”Lパッケージ”をオススメする。
誤解のないように言っておくと1.5リッターのディーゼルエンジンの動力性能も素晴らしいし、実用燃費でも1.5リッター車のほうが優れている。しかしガソリンエンジンでいえば、4リッター級の最大トルクを持つ2.2リッターディーゼルの加速フィールは輸入スポーツセダンと比べても勝負できるパフォーマンスを持ち、さらに言えば1.5リッター車では設定のないフルタイム4WDを選択することも可能だ。
実はこのタイミングから考えるとスポーツセダンという点では2018年5月に大幅改良を行ったアテンザにも注目していた。しかしアクセラはアテンザより約160kg軽量でなおかつ価格も同グレード比(装備の違いはあるが)で約80万円も安い。同じエンジンとはいえ、アテンザは今回大幅なパワーアップを行っているが、現状でもアクセラは十分以上のパフォーマンスを誇る。何よりも発売から5年経っていても色褪せないデザインは現在のマツダ車の魅力のひとつと言っていい。
快適性や先進安全性能に関しても最新のマツダ車と比べれば物足りない部分もあるが、ドライバーは元より同乗者にも快適な走りを提供するGVC(G-ベクタリング コントロール)も搭載しており、扱いやすいボディサイズと共に実用性も高いのが魅力と言えるだろう。