生産終了を発表したホンダの「モンキー」が大きくなって復活。さらばモンキーからのこんにちは!

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ホンダ「モンキー125」

分刻みのスケジュールで働き、息をつく暇もないくらい、闘いの世界に身を置いている読者は多いだろう。そんな忙しないビジネスマンだからこそ、大事にしたいもの。それは遊びゴコロではないか。

ビジネスシーンでのウィットな切り返しやユニークな発想は、時として大きな武器になる。そして、それらは心の余裕があってからこそ生まれるもの。そう、心の余裕が生む、遊びゴコロだ。で、そんな遊びをテーマにした、乗りモノがこのたび復活を遂げた。ホンダの「モンキー」である。

ホンダ「モンキー」PHVの50ccエンジン
モンキーの前身となるのは、ホンダがつくったテーマパーク「多摩テック」の遊具だった。スーパーカブから流用されたPHVの50ccエンジン、ほのぼのとした雰囲気が魅力で、すぐさま海外で話題になり、市販化が決定された。スーパーカブに次ぐロングセラーで半世紀もの歴史をもつ。

小さいからといって侮るなかれ。「モンキー」は創業者の本田宗一郎氏が手がけ、昨年50周年を迎えた累計生産約66万台を誇るロングセラー。大人一人が跨がれるとても小さな体躯に、バイクの構成部品をコンパクトに取り付けた斬新パッケージが魅力の、名機スーパーカブのエンジンを載せた50ccの原付きレジャーバイクだ。

“お猿”というネーミングもさる(←駄洒落ね)ことながら、その小さな見た目と可愛らしさから周囲の誰もがニンマリするほど。かの偉大なミュージシャン、ジョン・レノンもその魅力にハマったひとり。かつて所有していた初代モンキーは今年3月、英オークションで818万円の価格で落札されたというニュースが話題になったばかり。今なお日本を初め、世界中に根強いファンをもつ、バイク界のアイドル的存在が、モンキーなのだ。

カスタムされたホンダ「モンキー」
シンプルな車体構造からチューニングやカスタムベースとしても愛好家が多かった。数多くのアフターパーツが国内外のメーカーから発売されたほか、海外にはコピーバイクも多数存在。

また、読者諸兄のなかにも、高校生になって初めて公道を走ったバイクとして、あるいは友人や先輩から譲り受けて乗っていたなどなど、青春時代をモンキーと共に謳歌したという人は、多いのでは? 交差点で大型トラックと並んだときに恐怖したり、エンジンの排気量をボアアップして、ロンスイ(ロングスイングアーム)に改造したりと、イジることでバイクの基本構造を覚えた人もいるはず。

そんなモンキーが世界的に厳しくなる排ガス規制のあおりを受け、ホンダが「生産継続を断念」と発表したのは昨年のこと。50周年を記念した限定500台の最後のモデルには、予想を大きく上回る約4万5000人の購入希望者が殺到。

そして、そんなアツいファンに応えるべく、排気量を50ccから125ccに拡大し、このたび「モンキー125」として復活を遂げることになったのだ。

<b>1961年(Z100)初代モンキー</b><br />1961年、「多摩テック」の遊具として開発された。構成パーツのどれもがミニマムだ。

1961年(Z100)初代モンキー
1961年、「多摩テック」の遊具として開発された。構成パーツのどれもがミニマムだ。

<b>1963年(CZ100)</b><br />1963年、モデルチェンジ版として公道走行に対応させたCZ100型。翌年には海外進出を果たしたことで人気を集めた。

1963年(CZ100)
1963年、モデルチェンジ版として公道走行に対応させたCZ100型。翌年には海外進出を果たしたことで人気を集めた。

<b>1967年(Z50M)</b><br />販売開始にあたって、モンキーと名付けられた1967年に登場した国内販売最初のモデル。運転している人間の姿がサルに似ているという説のほかに、多摩テックの近隣の野猿街道でテスト走行も行ったから名付けられたという説もある。

1967年(Z50M)
販売開始にあたって、モンキーと名付けられた1967年に登場した国内販売最初のモデル。運転している人間の姿がサルに似ているという説のほかに、多摩テックの近隣の野猿街道でテスト走行も行ったから名付けられたという説もある。

<b>1969年(Z50A)</b><br />写真は3代目となる1969年登場のZ50A型。クルマにモンキーを積んで出かけ先で楽しむためのセパレートタイプも登場した。

1969年(Z50A)
写真は3代目となる1969年登場のZ50A型。クルマにモンキーを積んで出かけ先で楽しむためのセパレートタイプも登場した。

1970年にはZ50A型をベースにフロントフォーク部を脱着可能にしたモデル「Z50Z」へと改良された。また、1974年に登場した「Z50J」ではクルマへの積載性から単独背の走行性能を追求する方向にコンセプトを変えていった。

1970年にはZ50A型をベースにフロントフォーク部を脱着可能にしたモデル「Z50Z」へと改良された。また、1974年に登場した「Z50J」ではクルマへの積載性から単独背の走行性能を追求する方向にコンセプトを変えていった。

1978年、姉妹車種のゴリラを追加するとともにティアドロップ型5?燃料タンクを搭載したモデルチェンジ車。以降30年にわたってさまざまな限定モデルや限定色を送り出した。

1978年、姉妹車種のゴリラを追加するとともにティアドロップ型5?燃料タンクを搭載したモデルチェンジ車。以降30年にわたってさまざまな限定モデルや限定色を送り出した。

モンキーと車体を共有化しながら、大容量ガソリンタンク、ハンドルの折りたたみ機構をもたない、ツーリング嗜好の50ccバイク「ゴリラ」。1998年に販売復活となったが排ガス規制に適合できず、2007年に再び生産終了となった。

モンキーと車体を共有化しながら、大容量ガソリンタンク、ハンドルの折りたたみ機構をもたない、ツーリング嗜好の50ccバイク「ゴリラ」。1998年に販売復活となったが排ガス規制に適合できず、2007年に再び生産終了となった。

1984年に発売されたゴールドリミテッド。ライトスイッチ類をハンドル左側に集中化させ、マニュアルトランスミッションを4速化した。

1984年に発売されたゴールドリミテッド。ライトスイッチ類をハンドル左側に集中化させ、マニュアルトランスミッションを4速化した。

1987年にはモンキーをベースに当時流行していたレーサーレプリカからカウルを外したネイキッド風仕立ての派生車種「モンキーR」が登場。さらにデュアルパーパス化された、「モンキーRT」というユニークなモンキーも翌年追加された。

1987年にはモンキーをベースに当時流行していたレーサーレプリカからカウルを外したネイキッド風仕立ての派生車種「モンキーR」が登場。さらにデュアルパーパス化された、「モンキーRT」というユニークなモンキーも翌年追加された。

2014年に登場した熊本県のPRマスコットキャラクター、くまモンとのコラボモデル。ホンダの2輪車生産拠点がある熊本県にちなんでのこと。

2014年に登場した熊本県のPRマスコットキャラクター、くまモンとのコラボモデル。ホンダの2輪車生産拠点がある熊本県にちなんでのこと。

50周年を記念した限定500台。特設サイトの応募には予想を上回る約4万5000人が登録。その倍率90倍という難関だった最後の50ccモンキー。ユーズド取引きはプレミア相場必須なはず!

50周年を記念した限定500台。特設サイトの応募には予想を上回る約4万5000人が登録。その倍率90倍という難関だった最後の50ccモンキー。ユーズド取引きはプレミア相場必須なはず!

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