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「穏の座」でのやりとり(イメージイラスト)

そこで今回は、M.E.世代に是非知っておいてほしい「お座敷でのスマートな振る舞いと装い」について考えたい。というワケで、締め切りにまだ予裕がある月夜の晩、若いハシモトくんを誘って穏の座へと向かった。

「あら、いらっしゃ〜い」と、小顔からこぼれるチャーミングな笑みでワレワレを迎えてくれたのは、店主の塩見文枝さんだ。

塩見さんは穏の座店主である一方で、お声がかかればお座敷に上がる現役の赤坂芸者さん。つまりお座敷のプロ。各界の殿方のお相手をされてきた経験から、リアルな声として耳を傾けたい。 

「うちは座敷なので、お客様にはまず靴を脱いでいただきますが、そのとき穴の開いた靴下が目に入ると気になっちゃいますね。最近はおしゃれとして素足履きの方もお見えになりますが、その場合、靴下をお借ししますのでまだいいのですが…。一方で、バッグから替えの靴下を出して、わざわざ履き替える方もいらっしゃいます。こういう気遣いのできる方は素敵だなと思いますね」と文枝さん。

確かに! オレもあちこちで書いてるけど、世の中靴下に無頓着な男性が多過ぎる。たるんでズリ落ちてたり、毛玉だらけだったり、穴が開いてたり。パンツの裾からチラリと覗くだけだけど、そのチラリに気を遣う人が本当のおしゃれ。靴下なんか高くてもせいぜい3000円。服より費用対効果が高いんだから、常に清潔感のある靴下を身に着けたい。

あれ、ハシモトくん。おつまみに手を付けていいんだよ。ほれ、食べろ。

「座敷での粋な上司は、先に上座に座り、飲み物や食べ物に先に手を付けて下の人が寛げるようにするんですよ(笑)」

あ、そうなんだ。んじゃ、ラフロイグをもう1杯。ハシモトくんも注文しなさい。

「画伯、私も1杯ごちそうになってもよいかしら……」

あ、気が利かなくて申し訳ない。

「女性のお客様で、お店の女の子に『お酒をおすすめしてもいいのかしら?』とおっしゃってご馳走して下さる方がいらして、なんともスマートですよね」

それはいいこと聞いちゃったな。今度どこかで使わせてもらいます(笑)。ハシモトくん。オレ酔っぱらったから、店主さんの話を全部メモしといてね。

「画伯、下が寛げるようにしてください」

お座敷に適したファッション(イメージイラスト)

貸席&紹介制BAR「穏の座」

住所:東京都新宿区荒木町3番地 フォレストビル2階
TEL:03-6380-0916
営業時間:12時〜 16時(カフェタイム)、18時〜翌1時(バータイム)
休日:土曜・日曜・祝日(予約があれば営業)



[MEN’S EX2018年5月号の記事を再構成]

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