SARTORIA VOGLIO(サルトリア ヴォーリオ)
セコンディリアーノで5代、パンツ一筋に歩むサルトリア

Alberto Voglio(アルベルト・ヴォーリオ氏)
1978年生まれ。18歳から25年間、家業を継ぐ土台作りとして国際的視野を得るためキートンで職人として研鑽を積み、夜は家族のサルトリアを支え続けた。

Bruno Voglio(ブルーノ・ヴォーリオ氏)
2003年生まれ。15歳のとき、父の出張に同行したのを機に、学校の空き時間にはいつもサルトリアに足を運ぶようになり、この世界に魅了される。高校卒業後、工房に加わった。
家族全員がパンツ職人
一家総出のサルトリア
時に影の存在とも隣り合わせにあるナポリ北部の地区セコンディリアーノ。芸術と愛、深い歴史が息づくここは、キートンの前身チーパ社の創業地でもあり、古くから豊かな職人文化が受け継がれてきた。サルトリア ヴォーリオも、この地で1世紀以上にわたって工房を構えている。
1907年、ジュゼッペとパスクアーレ・ヴォーリオ兄弟が、仕立ての道を歩み出したことで、彼らの歴史は始まった。それは、誇りをもって家名をあげるための第一歩だった。パスクアーレはその後チリのサンティアゴへ渡って上流階級の服を仕立てた一方、ジュゼッペはナポリに残り、技を次世代へ伝えた。こうしてヴォーリオ家の名は、今日まで5代にわたり受け継がれてきた。
1966年、ジュゼッペ孫のブルーノの代で、サルトリアはパンツ工房へと舵を切る。唯一無二のディテールと構築美が、ヴォーリオというブランドの象徴となった。現在、工房を率いるのは、ブルーノの息子アルベルト氏だ。そこに、5代目を担う若きブルーノ氏も加わった。
「美しいパンツとは、外だけでなく内側も美しいもの。細部まで一切の妥協がなく、手の仕事が宿ることが大切です」とアルベルト氏は語る。
精密な構築の中に柔らかさを宿す。その相反する要素を調和させるのが、ヴォーリオの真髄だ。
「ナポリのサルトリアの未来に多くの若者たちが興味を持ち、学び始めています。私は彼らを導き、次世代の担い手を育てたい。息子ブルーノもその一人として、ナポリの手仕事の価値を未来へ繋いでいるのです」

DATA
左から5代目ブルーノ、アルベルトの義姉アンナ、妻ロザーリア、4代目アルベルト、娘アレンサドラ、母マリア。パンツのビスポークは€1200~。既製品は€900~€1000。
Via Raffaele Angiulli 7, 80144 Napoli
TEL.+39 324 7723802
URL:https://sartoriavoglio.com
撮影・コーディネイト・構成・文=藤田雄宏〈AFTERHOURS〉
[MEN’S EX Winter 2026の記事を再構成]





