ALBERTO NOLANO(アルベルト ノラーノ)
下町サニタに育まれた生命力に溢れる新しい世代のカミチャイオ

Alberto Nolano(アルベルト・ノラーノ氏)
1985年生まれ。2010年、アカデミア デッラ モーダのモデリスタ課程を修了後、いくかの工房で修業を積み、2015年に自身の工房を構える。

ナポリの空気が詰まった生きたシャツの美しさ
サニタ地区とカポディモンテを結ぶ大通り。ナポリの守護聖人サン・ジェンナーロのカタコンベからもわりとすぐの、“バッソ”と呼ばれるナポリ特有の住居に、アルベルト・ノラーノ氏はカミチェリアを構えている。地上階に入口を持ち、天井が低く、通りと生活が地続きになったバッソは、19世紀に貧しい人々が暮らした簡素な住まいで、かつての暮らしの記憶が、壁や床に静かに息づいている。近年では、ノラーノ氏のように若い職人が工房として再生する例も増え、ナポリの誇りと創造の象徴へと姿を変えつつある。
ノラーノ氏はサニタで生まれ育った。古い建物が密集し、人々の声が路地に響く、ナポリの中でも特に人情と活気に満ちた下町だ。幼い頃から人の手が生み出す美しさを見てきた彼は、自ずと職人の世界に惹かれていった。快活で、そのエネルギーに圧倒されるが、人懐っこい笑顔を絶やさない。典型的なナポリの下町っ子、とても気の良い兄ちゃんだ。「すべては職人の手から生まれます。裁断、細部への気配り、長年の経験によって身体に刻まれたリズムと正確さ。自然体でありながら、魂がこもっていること。完璧ではなくとも、生きたシャツに美しさを感じるのです。そして、伝統は今と対話してこそ輝くのです」とノラーノ氏。
彼もまた、レ・マーニ・ディ・ナポリの創設メンバーの一人だ。
「このプロジェクトは私たちに大きな責任を与えてくれました。ナポリから授かった多くのものを、街に還すこと。それが私たちの使命です」

DATA
庶民の活気に満ちた下町エリアで、ナポリ固有の住居“バッソ”に工房を構え、古きよき時代の雰囲気が薫る。シャツのス ミズーラは€300~。
Corso Amedeo di Savoia 256, 80136 Napoli
TEL. +39 345 4937010
URL:https://www.albertonolano.com
撮影・コーディネイト・構成・文=藤田雄宏〈AFTERHOURS〉
[MEN’S EX Winter 2026の記事を再構成]





