
ライフスタイルや働き方が多様化する昨今、スーツの“着方・選び方”も人それぞれに広がっている。だからこそ、自分のライフスタイルにベストマッチする一着を仕立てることは有効だ。紳士服の文化を長く築いてきたトラディショナルウェアの大家・ブルックス ブラザーズは、既製服のイメージが強いかもしれないが、実は「パーソナルオーダー」も展開している。今回はその「パーソナルオーダー」を編集スタッフの橋本が体験。ブルックス ブラザーズ 表参道のベテランスタッフ・大平洋一氏にアドバイスをいただきながら、オーダーの様子をレポートする。
まずはヒアリングで仕立てたいスーツのイメージを共有

学生時代からアメリカントラディショナルの服を愛用。初めて買ったネイビーブレザーもブルックス ブラザーズ。
右:ブルックス ブラザーズ 表参道 スタッフ 大平洋一さん
学生時代のアルバイトを経て、ブルックス ブラザーズへ入社。30年以上の勤続で得たブランドと商品についての専門知識を活かした接客が人気。
橋本 ブルックス ブラザーズというと既製服のイメージをお持ちの方も多いですが、 実はもう20年近く前からオーダーメニューがあるんですよね。
大平 そうなんです。橋本さんもオーダーをされるのは初めてと伺いました。今日はどんなイメージで仕立てましょうか?
橋本 オン・オフどちらも兼用できる一着が欲しくて。私、実は休日カジュアルがあまり得意ではないので……。ですので得意なスーツスタイルを“上手に着崩す”方向で休日もカバーしたいと思っています。
大平 ビジネスのカジュアル化で、オンオフ兼用を求める方は確かに増えていますからね。となると、コットンスーツなどでしょうか?
橋本 今回はグレーのフランネルを考えています。コットンよりきちんと見えるので、取材や打ち合わせにも安心かなと。
大平 面白い発想です。フランネルはビジネスで着られる一方、ニットやスニーカーを合わせればカジュアルにも振れます。
橋本 コットンスーツのような “カジュアルスーツをオンに格上げ”ではなく、フランネルのような“ビジネス寄りのスーツをカジュアルに落とす”発想で仕立ててみたいんです。
生地やシルエットなどディテールをセレクト

橋本 ただひとえにグレーフランネルといっても、厚さや色がたくさんありますね。大平さんのおすすめはありますか?
大平 そうですね、この「ウィリアム・ハルステッド」のフランネルなんかどうでしょうか? 450gで程よいコシがあり、暖冬傾向の近年でも長く使えます。色はやや明るめのミディアムグレーが万能です。プレッピーにラガーシャツやボリュームニットも合わせられるので、カジュアルダウンの幅も広いですよ。
橋本 たしかにこのトーンならオンだけでなくオフにも振れますね! 次はシルエットでしょうか。形は、ブルックス ブラザーズらしい「サックモデル」がよいかなと考えていました。ウエストの絞りがあまりなくて、カジュアルな雰囲気でも着られるので今回のスーツにもぴったりではないかと。
大平 でしたらこの「3Bコンフォートサック」はいかがでしょう。昔ながらの3つボタン段返りのサックスーツですが、裏地や芯地を抑えた軽やかな仕立てです。
橋本 リラックスして着られるので、休日のカジュアルダウンもしやすそうですね。
大平 実はこのモデル、アンコンジャケットが台頭した20年ほど前に私が企画した思い入れのある型なんです。オンオフ兼用の需要とともに、最近また人気が高まっているんですよ。

橋本 ステッチの入れ方も選べましたよね。しっかりステッチを入れてややカジュアルな雰囲気も持たせたくて。
大平 それならこのような7mm幅のミシン風ステッチを入れるのがおすすめです。よりアメリカントラディショナルなサックスーツらしい顔つきに仕上がりますよ。では次にボタンや裏地など細かいパーツを選びましょう。

橋本 ボタンだけでもかなりの種類があるんですね!
大平 ボタンだけでなく、襟裏のカラークロスもたくさん種類がありますよ。

橋本 これは悩みますね……。 ボタンや裏地で個性を出せるのはオーダーの醍醐味ですが、個人的にはどうしても落ち着いた色を選んでしまいたくなります。生粋のコンサバ派なので(笑)
大平 グレーフランネルなら、ボタンは光沢控えめの本水牛(ダークトーン)が正統派ですよ。練りボタンも悪くないけれど、高級感が一段上がるのはやはり本水牛。カラークロスは遊びを効かせられるポイントですが、あえてモダンに同色のグレーもよいかもしれません。裏地は、橋本さんの好みに合わせてグレー基調にしつつ、袖の裏地のみブルックス ブラザーズの伝統的なストライプを選ぶのもお洒落です。

橋本 こうして選んだパーツを並べてみると、仕立てたときのイメージが沸きますね。バランス良くまとまりました。これでお願いします!
採寸を行い、スーツを着た時のバランスをチェック

大平 では最後に採寸で、仕上がりの細かなバランスを決めていきましょう。
橋本 採寸ではどのようなポイントを見るのでしょうか?
大平 まずはサンプルジャケットを着た時のサイズ感。肩幅や身幅の大きさ、着丈や袖丈の長さのバランスをみながら、お好みのフィット感をお伺いして、既製品を元にサイズ調整を行います。橋本さんの場合は、少しだけ着丈を詰めた方が良さそうですね。それ以外は、問題なくきれいに着られていると思いますよ。

橋本 私は体格がさほど大きくないので、海外ブランドのジャケットは着丈が余りがち。パーソナルオーダーは本当にありがたいです。仕上がりが今から楽しみです!
大平 仕上がりをイメージしながら生地を選んだり採寸をする時間を楽しめるのも、「パーソナルオーダー」の醍醐味ですよね。
橋本 出来上がったら、オンとオフのそれぞれの着こなし方もご相談もさせてください!
※完成後の9月下旬に後編をレポート予定です
9月23日まで「パーソナルオーダーフェア」を開催!
ブルックス ブラザーズでは9月23日(火・祝)まで「PERSONAL ORDER FAIR MENS/WOMENS」を開催。店舗スタッフとご相談いただきながら、スーツをはじめとするアイテムを仕立てることができる。エントリープライスからラグジュアリーまで2025秋冬生地が多彩にラインナップされている、自分だけの一着を仕立てるにはまたとない機会だ。また、期間中、オーダーをご注文した方には、ブルックス ブラザーズ メンバーシップの通常ポイントにプラス5%のポイントが付与。
会期:8月27日(水)〜9月23日(火・祝)
価格:<メンズスーツ>12万1000円(税込)〜
納期:レギュラー生地:約2週間~、インポート生地:約3週間~
※受注時期や生産状況により前後する場合があります
お問い合わせ先
ブルックス ブラザーズ ジャパン
TEL:0120-02-1818
撮影/村上 健 文/橋本慎司
※表示価格は税抜き