THE NIKKEI MAGAZINE編集長 松本和佳さん流【名門ホテルBARの “格テル” をの語り方】

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知的で素敵なLUXURY LIFE 50の実例

膨大な情報に溢れる現代。経験と知識をどう得て、賢く楽しむか? を、衣食住遊~学・整まで、50の実例に。日常に“光=LUX”を与えてくれる新しい価値観をぜひご覧ください。

[実例38/学]
名門ホテルBARの “格テル” を語れる

松本和佳さん

日本経済新聞 THE NIKKEI MAGAZINE 編集長 松本和佳さん

THE NIKKEI MAGAZINE 編集長を務め、ホテルや旅、食、ファッションなどの視点から感度の高いビジネスパーソンに向けた上質な日常を発信。

かつてラグジュアリーは外見的な豪華さを指していた。だが令和の今、豊かさとは日常に自然と溶け込む上質さや、それを語れる人の所作に宿るものへと変化している。そんな“知的なラグジュアリーライフ”の好例といえるのが、名門ホテルバーでの一杯だ。

その魅力をひも解くべく、THE NIKKEI MAGAZINE編集長で「hotel TIPS」連載を手がける松本和佳さんが出会った“記憶に残るカクテル”について話を伺った。

「名門ホテルのカクテルは、単なるアルコールではありません。味や香りに加え、空間の意匠やサービス、バーテンダーとの会話まで含めて、ひとつの物語のように感じられます。その代表なのが“ホテルを象徴する一杯”シグネチャーカクテルです。取材を通して、かつての名バーテンダーが考案したものや、戦後間もない時代の想いを映した一杯など、背景を知るたびにどんどん惹かれていきました。そうした話を、その場で聞けるという贅沢さに“酔って”しまったんです。最近では“モクテル”にもストーリーや哲学が込められ、飲める人も飲めない人も楽しめる進化系のカクテルが登場しています。伝統と新しさを共存させるのも挑戦的で面白いですよね」

ホテルバーという空間で、その土地の文化や時代、そして作り手の想いが詰まった一杯に出会う。その物語を語れるというのは、ただの薀蓄ではない。そこには敬意と好奇心に裏打ちされた、大人の嗜みがある。

IMPERIAL HOTEL TOKYO
帝国ホテル 東京「マウント フジ」

帝国ホテル 東京「マウント フジ」

100年以上受け継がれる帝国ホテル最古のカクテル
1924年に誕生し、富士山に赤い太陽が昇る瞬間をイメージした、帝国ホテル最古のオリジナルカクテル。甘い香りと複雑な味わいの奥に、しっかりとジンが効いた正統派。「誰が考案したかは不明ながら、100年にわたってレシピが受け継がれてきたというのも、ホテルの美意識と歴史の深さを感じさせます」(松本さん)。3250円(オールドインペリアルバー)

GRAND HYATT TOKYO
グランド ハイアット 東京「エンテス マデュロ」

グランド ハイアット 東京「エンテス マデュロ」

大人の社交場で相棒となる一杯
華やかな香りと深い余韻が楽しめる、テキーラベースの一杯。ブラジルの「カイピリーニャ」をひねり、クラセアスール・テキーラにエルダーフラワーの香りとライムの酸味を効かせた、オールデイカクテルだ。「シガーが楽しめる大人の社交場にもぴったりではないでしょうか」(松本さん)。2750円〈サービス料15%別〉(バー & ジャズラウンジ マデュロ)

THE OKURA TOKYO
オークラ東京「エスプレッソ マティーニ」

オークラ東京「エスプレッソ マティーニ」

蘭の花が咲く究極のコーヒーカクテル
伝統のクラシックバーで味わう進化系カクテル。厳選した豆を使ったエスプレッソにラムやオレンジビターを加えた一杯は、芳醇な香りと柔らかな甘み、そしてウオッカの力強さが絶妙に調和する。「オーキッドの花模様も粋な存在感を放っていますね」(松本さん)。 3500円(オーキッドバー)

PALACE HOTEL TOKYO
パレスホテル東京「タワー オブ トウキョウ」

パレスホテル東京「タワー オブ トウキョウ」

幻の東京タワーを映した真紅のモクテル
再開発で見えなくなった東京タワーがまた見たいという常連客の声に応えて誕生。ハイビスカスの酸味が爽やかで、金箔を添えた赤いシャンパーニュグラスは、夕暮れの空に浮かぶ“幻の東京タワー”のよう。「記憶と風景を閉じ込めた物語に心動かされます」(松本さん)。2800円〈サービス料15%別〉(ラウンジバー プリヴェ)

THE WESTIN TOKYO
ウェスティンホテル東京「Smoke and Mirrors 煙に巻く」

ウェスティンホテル東京「Smoke and Mirrors 煙に巻く」

煙をモチーフにしてサプライズをお届け
ビール工場の跡地にバーを構えたという土地の記憶を表現。ラフロイグをベースに黒糖リキュール、梅酒をブレンドし、香ばしさと甘酸っぱさが層をなす。スモークを注ぎ煙が漂う中で提供。「ヴェールを徐々に脱いで、神髄をあらわにしていく様はまさにマジック」(松本さん)。3000円(スカイバー エスカリエ)

HOTEL NEW OTANI
ホテルニューオータニ「MAI TAI®」

ホテルニューオータニ「MAI TAI®」

ティキのあるエキゾチックな空間と味わう
「マイタイ」はラムとライムに、アーモンドシロップとオレンジキュラソーを重ねた、即興から生まれた1944年生まれのシグネチャーカクテル。トレーダーヴィックス 東京での一杯は、エキゾチックそのもの。「ティキに囲まれた一杯は幸せな酔い心地に」(松本さん)。2200円〈サービス料15%別〉(トレーダーヴィックス 東京)

「hotel TIPS」

THE NIKKEI MAGAZINEにて「hotel TIPS」を連載中!

空間美に加え、カクテルやスイーツの誕生秘話も紹介する「hotel TIPS」。上質なライフスタイルを提案する連載。バーテンダーやシェフに迫る記事内のショートムービーも必見。
URL:https://magazine.nikkei.com/lifestyle/D0000069

一覧はコチラ: 「知的で素敵なLUXURY LIFE 50の実例」



[MEN’S EX Summer 2025の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)
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