超複雑機構のしくみ①トゥールビヨンとは?

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2022年に刊行された『世界一わかりやすい 腕時計のしくみ』の第2弾として、「複雑時計編」が発売となった。本書ではここ数年ブームが続いている複雑時計に絞って、その魅力的な機能や難解に動く「しくみ」を、とにかくわかりやすく解説。奥が深いさまざまな複雑機構のしくみをご紹介しよう。

グルグル回るハイエンド機構
TOURBILLON(トゥールビヨン)

トゥールビヨンは、アブラアン-ルイ・ブレゲの発明である。彼は生涯で35個のトゥールビヨンウォッチを製作したという。当時、初代ブレゲ以外でこの機構を実現した時計師は極めて稀だった。そして1988年、2つのブランドから市販の腕時計としては初のトゥールビヨン搭載モデルが登場。いずれもがダイヤルの開口部に1分間で1周するこの複雑機構を見せていたため、その後トゥールビヨンのスタンダードとなった。

TOURBILLON(トゥールビヨン)
現在のブレゲもまた、トゥールビヨンの優れた作り手として存在感を放っている。やはりダイヤル開口部に機構を見せ、針を取り付けることで、スモールセコンドを兼ねさせている。

ブレゲで学ぶ
トゥールビヨンの使い方

キャリッジが回転してテンプへの重力方向を平均化

テンプの軸の先端(ホゾ)は、摩擦を軽減するため細く削られ、両端は潤滑油を保持するくぼみを設けた受石で支持される。時計が水平な場所に置かれている場合、ホゾは受石の中心にある。しかし携帯されて時計の位置が変わると、ホゾは中心からずれ、受石のくぼみの側面に触れて摩擦が増大する。この摩擦の変化が、時計精度に悪影響を及ぼす。

トゥールビヨンは、テンプと脱進機とをキャリッジあるいはケージ(籠)と呼ばれる回転体に収め、一緒に回すことでテンプへの重力方向の変化の平均化を図る複雑機構。表示機構ではないので、使い方は通常の腕時計と同じだ。

フライング・トゥールビヨンとは?

トゥールビヨンのキャリッジは、耐衝撃性を高めるために地板とブリッジ(腕時計では多くがダイヤル側)の両方で固定されている。そのブリッジを不要とする構造を1920年、ドイツの時計師アルフレッド・ヘルヴィグは考案。この地板側だけ支持する構造をフライング・トゥールビヨンと呼ぶ。

ブレゲ「クラシック 5317」
「クラシック 5317」。5日間もの長時間駆動を実現したトゥールビヨン腕時計。ダイヤルのギヨシェ彫り装飾も、初代ブレゲが初めて時計に用いた。

2024

VOL.340

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