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腕時計の基本構造と名称
腕時計は機械にあたるムーブメントとダイヤル、外装に大別できる。外装には複数の要素があり、それぞれに名称が付けられている。
時計を構成する7つの要素(画像7点)
【1】裏蓋(ケースバック)
着脱可能な、まさしくケースの裏側の蓋。ここを開け、中のムーブメントを出し入れする。裏蓋の固定方法には、いくつかの種類があり、水やホコリが侵入しない工夫が凝らされる。
【2】インナーケース
3つのパーツは、右から耐磁缶、中枠、耐磁蓋。中枠にビスでムーブメントを固定し、耐磁缶に収め耐磁蓋をする。缶と蓋の多くは軟鉄製。磁気を通しやすく、外側へと逃がす。
【3】ムーブメント
時計を動かす機械を、ムーブメントと呼ぶ。正確に時をカウントし、針を動かすために役割が異なるユニットで構成されている。各ユニットの詳しいしくみは、後ほど解説する。
【4】ダイヤル
日本語では文字盤。時間を読み取るための目盛り(インデックス)が備わる盤と針で構成される。日付などがわかるモデルでは、それらを示す小窓が開けられる。
【5】ケース及び風防
ムーブメントとダイヤルとを収めるのが、ケース。それに取り付けるダイヤルを保護するガラスなどの透明なカバーを風防と呼ぶ。それぞれ、さまざまな素材が用いられている。
【6】(回転)ベゼル
風防の周りに取り付けられた枠。風防を押さえる役目をもつ場合もある。固定式では、ねじ込む、もしくは接着剤でケースと接合する。回転式とすることで、計測機能が追加できる。
【7】リューズ
漢字では竜頭と書き、英語ではクラウン。回すことで動力源であるゼンマイの巻き上げや、針・日付の調整を行う。どの操作を行えるかは、引き出した位置(ポジション)による。
上は、前出のフィフティ ファゾムス本体の構成図である。これらのうちムーブメント、ダイヤル、ケース及び風防、ベゼル、リューズはすべての腕時計に備わり、裏蓋はごく稀にもたないモデルも存在する。またベゼルの多くは固定式だが、フィフティ ファゾムスのようなダイバーズウォッチでは回転式とすることで、潜水時間を計れるようにしている。
インナーケースは、少し特殊な構成要素。時計は磁気に弱い。そこで強い磁場が発生する環境で使われる時計は、磁気から保護してくれるインナーケースにムーブメントを入れてから、ケースに収めている。こうしたモデルは、耐磁時計と呼ばれる。
これら上図にある構成要素以外に、ケースを腕に装着するためのベルト類も、腕時計には不可欠だ。
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