三冠王・村上宗隆を支えた「名工がつくるバット」の話

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名手の大記録を支えた名工の大仕事とは

今年、野球界の話題となったのが村上宗隆選手の三冠王達成だ。その記録を支えた背景に名工の存在があった。村上選手のバットを手掛けた名工に、栄光の生まれた裏話を聞いた。

三冠王・村上宗隆を支えた「名工がつくるバット」の話

本誌の表紙としてもご登場いただいた東京ヤクルトスワローズの村上宗隆選手が、今年、最年少で三冠王を達成した。日本の職人技を紹介する本特集の締めくくりとして、その歴史的記録を支えたバットをクローズアップしたい。

村上選手のバットを製作したのは、彼のバットを入団当初から担当してきたミズノ テクニクスの職人、名和民夫氏だ。

「今シーズンのバットについて2021年12月に打ち合わせを行い、22年の5月から6月ごろに形状が変化しました」と名和氏。変更されたのはグリップエンドを緩やかにし、ヘッドをくりぬくといった点。

「村上選手は『ヒットの延長にホームランがある』とおっしゃっています。ヒットをとても多く打つ方なので、アベレージヒッターのバットを理想とされているのだろうと推測しました」。

全開に近いところまでくりぬかれたヘッド
全開に近いところまでくりぬかれたヘッド。名和氏によれば、日本のプロ選手でヘッドをくりぬく人は、少ないそうだが、村上選手の活躍以降、依頼が増えてきたそうだ。

ヘッドが軽くなるとバットがコントロールしやすいほか、スイングが早くなる。また、1cm程度、芯がグリップに近づき、懐までボールを呼び込めることから、球の見極めがしやすくなるのだろうと名和氏はイメージを膨らませたそうだ。

ここでプロの技だと感心させられたのは、くりぬくことで軽くならないよう、その分を見越して加工後も重量の変わらない重い材料を選んだ点だ。現在、バット用木材はメープルが主流。大量の素材を名和氏は硬式用、軟式用に大別した後、さらにひとつひとつプロ選手用、社会人用、学生用と自身の目で分類していくのだ。

「素材も鮮度が命、食材と同じです」。

そして、加工に機械を使うものの、0.1mmレベルのグリップや重量の微調整は、やはり手作業で行う。選手との過去のやり取りまで記憶し、そのうえで要望を形にする手腕があったからこそ、栄光を支えるバットが生まれたのだ。

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