普遍を知り、アップデートすることこそ洒脱の鍵

“軸をぶらさず、かつ立ち止まらない”。これが中村さんのファッション哲学だ。そのためには、ベーシックを基盤に装いや選びでいかに“今”を表現するかが肝要。基本も応用も熟知する中村さんに、その極意を学ぼう。
オフホワイトの5ポケットパンツ
「リゾートなヨーロピアン風かアイビーなアメリカン風が基本」
――中村さん
昨年から人気が再燃している5ポケットパンツ。定番のジーンズに加え、この夏はオフホワイトにも要注目だ。なるほど白デニムね、もってるもってる……と早合点するなかれ。白ではなく“オフ白”なのがポイントだ。中村さんに理由を伺うと、意外な新事実が!
AUBERGE × BRILLA PER IL GUSTO(オーベルジュ × ブリッラ ペル イル グスト)

1940年代のアメリカンジーンズに範を取りつつ、洗練されたスリムシルエットにモダナイズしたオーベルジュの名作「フィル メンプ」。こちらはオフ白のピケ織り生地を載せ、往年のアイビーテイストを感じさせる一本に仕上げられている。カツラギやサテンと並んで、かつて日本でも大人気を博した素材だ。2万8600円(ビームス 六本木ヒルズ)

[ UPDATE POINT ]
生成りのピケがかえって今新鮮
現在“ホワイトデニム”と聞くと、真っ白のジーンズを想像するはず。しかし本来、白デニムは“オフ白”だったのだという。「真っ白のデニムが浸透したのはイタリアンブーム以降。アイビー期にはオフ白がスタンダードでした。なかでもピケは大定番のひとつで、トラッド再燃の今、再び新鮮に感じます」