レトロなスポーティ感が醸し出す大人の余裕

水圧に耐える屈強なケースに、海中でも見やすいダイヤルを組み合わせ、潜水時間を計る回転ベゼルが備わる──今あるダイバーズウォッチのスタイルが確立されたのは、1950年代のこと。当初は、文字通り潜水士向けのニッチな存在だったが、やがてサーフィンなどのマリンスポーツが盛んになるとニーズが高まり、市民権を得た。そして2000年代に入ると、大型のスポーツウォッチブームに乗り、ダイバーズウォッチは時計市場で大きなシェアを占めることとなる。ゆえにバリエーションは、実に多彩だ。モダンダイバーズは、先進の素材を駆使するなどして頑強さや軽さ、華やかさを競う。
対して近年、数を増やしている復刻を含むレトロなダイバーズは、スポーティではあるが、落ち着きのある大人のたたずまいでスーツにも合わせやすい。少しな武骨な雰囲気は、少年のような感性を忘れずにオフの日には趣味を楽しみ、上手に年齢を重ねてきた心に余裕がある自分を演出できる。またレトロダイバーズは、小ぶりなモデルが選べるため、袖口に収まりやすい。大型ケースであっても腕時計だけが変に悪目立ちすることなく、着こなしの絶妙なアクセントになってくれる。
GLASHÜTTE ORIGINAL(グラスヒュッテ・オリジナル)
SeaQ

1969年誕生のダイバーズの復刻モデルが、トレンド感のあるグリーンで装った。ダイヤルの深みのある色調は、海はもちろん、山でのアウトドアライフにもよく似合う。国際(ISO)とドイツ(DIN)の2つの工業規格で認定を取得。外観こそレトロだが、その頑強さは極めつけだ。逆回転防止ベゼルはセラミック製。自動巻き。径39.5mm。SSケース。シンセティックストラップ。115万5000円(グラスヒュッテ・オリジナル ブティック銀座)
LONGINES(ロンジン)
ロンジン レジェンドダイバー

インナーベゼル式のスッキリとした外観は、1960年代モデルをなぞらえたもの。そのスタイリッシュさで高い人気を誇るダイバーに今年、ブラウンのグラデーションダイヤルが新登場した。やや赤みの強いブラウンは適度な華やかさを持ち、かつシック。ストラップの色味も、お洒落だ。搭載するムーブメントは、シリコン製ひげゼンマイの採用で耐磁性にも優れている。自動巻き。径42mm。SSケース。カーフストラップ。31万4600円(ロンジン)
MIDO(ミドー)
オーシャンスター トリビュート

1960年代のミドーダイバーズからインスパイアされたヴィンテージな外観は、スポーティな力強さを漂わせる。ブラックのダイヤルに秒針のオレンジが絶妙なアクセントに。11連のブレスレットはしなやかで着け心地がよく、スタイリッシュだ。80時間駆動の自動巻きを搭載し、デイデイトも装備。外装も機械も価格以上の価値を持つ。自動巻き。径40.5mm。SSケース&ブレスレット。13万3100円(ミドー/スウォッチ グループ ジャパン)