全てのBEV共通の充電インフラ問題

I-PACEには90kWhという大容量バッテリーが搭載されている。前述した2990mmという驚きのホイールベースはハンドリングだけではなく、この大容量バッテリーを搭載するためのスペース確保のためでもある。
クルマによって搭載するバッテリー容量とそれに伴う航続距離はそれぞれの考えに基づいているので、それをアレコレ言うのもいかがなものか、というのはある。
ちなみにI-PACEはWLTCモードで438kmというカタログスペックを持つが、実際この通りにはいかないのがBEVの難しいところだ。過去も含めるとI-PACEの航続距離は概ね350km前後である(今回はもう少し少なめの数値だったが)。
ただ1日に350kmを走るというのは個人差はあってもなかなかの走行距離だ。I-PACEは普通充電のほか、CHAdeMO規格の急速充電にも対応しており、こちらもスペック上では50kWの急速充電であれば0-80%までの充電が約85分で行える。
実際、充電プランにもよるが、多くの人がもう少し早いタイミングで充電するはず。さすがに85分待つのはあまり現実的ではないし、この辺の使い方はユーザーの考え方でかなり変わってくるはずだ。
それでも昨今、特に高速道路のSAなどに配置されている急速充電器の“渋滞”が目立ってきている。BEVの普及に対し、充電インフラの整備状況は一時期よりペースが落ちている。その点でも頻繁に充電の必要がないI-PACEはドライブなどでも常に残量を気にしながら走るといったストレスは少ないと感じた。