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「思った以上に気持ちが落ち込んだ撮影の中断。でも自分の仕事の意味を再確認する機会にもなりました」──鈴木保奈美さん

「今年はまさに“スーツ”な1年。その年の終わりにこのような賞をいただけて本当に嬉しいです」。

フジテレビのドラマ『SUITS/スーツ2』に前作に引き続き出演し、そのファッショナブルな着こなしも話題となった鈴木保奈美さんはそうにこやかに話す。演じたのは弁護士事務所の所長・幸村チカ。華やかながら芯は誰よりも強いという役だが、じつはこのコロナ禍で撮影が3ヶ月中断したとき、本人の気持ちはずいぶん落ち込んでしまったと言う。

「自分でも驚くほどショックが大きくて。私たちの仕事は暮らしや命に直接関わるようなものではない。そういう仕事に携わる意味はなんだろうか、もしかしたらこのまま二度とできなくなるんじゃないか、なんてことを考えているうちにどんどん不安が募って……」

ぽっかり空いた時間を埋めるため、インターネットの動画配信で米国版のオリジナルの『SUITS』やそのほかいくつかの海外ドラマなどを改めて観てみた。

「するとやっぱり楽しいんですよね。きっとここにはやる意味があるはずだと思えてきて、皆さんが30分でも1時間でもリラックスできるお手伝いができれば、と気持ちが前向きになった。それからは撮影再開時に最高の状態で臨むというのがモチベーションに」

そのドラマも大好評のうちに終了。かつて『東京ラブストーリー』の赤名リカ役でコケティッシュな魅力を振りまいた彼女は、女性からも男性からも憧れの対象となるリーダー像を演じきった。

「そう見えていたら嬉しいです。今の社会で組織のトップに女性が立つと、なかなか難しいものがあると思います。しかも私の部下には織田裕二さんもいる(笑)。これだけの人たちを従えたトップとはどうあるべきか、ということを常々考えて演じていましたから」

ドラマは題名通り、男性陣の堂々たるスーツ姿も見どころだった。世の男性に何かスーツに関するアドバイスはないだろうか。

「アドバイスできるほどわかっていません(笑)。だから自分自身の経験を言いますと、若い頃スーツが似合うようになりたいとあれほど格闘していたのに、『あれ、ちゃんと着こなせてるかも?』とようやくこの頃思えるようになってきた。だからある程度の努力と時間が必要なのかもしれませんね。でも歳をとるほど素敵に着られる服って、ちょっといいですよね」

最後に、女優としてこれから挑戦してみたいことを聞いてみた。

「今は何でもチャレンジだと思っています。どんな役でもどんな番組でも。もし『SUITS』の続編ができるとすれば、それもまた私にとって新たなチャレンジです」確かに今はすべてがチャレンジの時代。美しくて強い幸村チカにポンと背中を押されたようだった。

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