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代わりのない唯一無二の存在

ディフェンダー
90/110/130というのはホイールベースの長さを表している。90は90インチ(2360mm)、110は110インチ(2794mm)。130は当初127であったが、ディフェンダーの名称が付いた際に130へと変更されており、127インチ(3226mm)である。

現在、日本を走るディフェンダーは並行輸入モデルが多くを占めているが、実は、一時期、正規輸入されたこともあった。

1997年から2回、90(V8ガソリンエンジン・AT)を台数限定で、2002年から05年までは110ベースの5ドアステーションワゴン(ディーゼルエンジン・MT)を販売していたことがある。日本での正規輸入が終了した後、海外では排出ガスや安全面の規制に対応させながら生産が続けられてきたが、2016年にとうとう生産を終了。

ディフェンダー90のステーションワゴン
ディフェンダー90のステーションワゴン
様々な用途に対応すべく3種類のホイールベースに加え、乗用のステーションワゴン以外にピックアップ、ハードトップをラインナップ。こちらはディフェンダー90のステーションワゴン。
ディフェンダー110のダブルキャブ
ピックアップは幌なし、幌付きが用意されていた。こちらはディフェンダー110のダブルキャブピックアップ。

振り返ってみると、21世紀にかけてラグジュアリィSUVがもてはやされ、ランドローバーブランドそのものがBMWからフォードと親会社が変わる中、ディフェンダーはラグジュアリィを極めていくランドローバーファミリーにおいて、異端というポジションに置き去りにされていたような気がする。

しかし、知る人ぞ知る存在は、その価値を稀有どころか、唯一無二レベルにまで高め、2013年に生産中止を発表してからの人気は取引価格の急上昇を引き起こしたほど。

日本では、最終的にはレギュラーモデルながら1000万円に届きそうなレベルで取引がされ、現在の中古車相場も、1998年に正規輸入された50周年記念モデル(右ハンドル・ガソリン・AT)であっても、新車価格(税抜き399万円)とほぼ変わらぬ価格で取引されている。

22年前に登録され、そこそこに走っているモデルと考えると、まさに異例だが、代わりになるモデルが存在しないと捉えると、その価格にリーズナブル感を覚えるファンも多く、この人気過熱ぶりは当分どころか、永遠に続くのではないか、そう思えるほどだ。

文/吉田直志 写真/ジャガー・ランドローバー 編集/iconic

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