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「ガソリンエンジンと変わらないドライブフィール」を

スマートEQ
こちらは2人乗りのフォーツー。リアにモーターを備え、リチウムイオンバッテリーは車体中央の床下に配置されている。

スマートEQのセリングポイントは、デジタル化、コネクティビティの強化にある。アプリを活用し、駐車位置の確認やドアロックの施錠、解錠を遠隔地から行えるほか、また友人や知人を無料グループと有料グループにわけ、スマートフォンを使ってドアロックの解除から支払いまでを簡単に行える「ready to share」や駐車場のリアルタイムの空き状況を確認し予約することができる「ready to park」など、シティコミューターとしての使い勝手が向上している。

ただしこうした機能が使えるのはドイツ、フランス、スペイン、イタリアとスマートが普及している欧州の一部に限られている。日本ではまだ個人間シェアリングなど法整備が万全でないこともあり、いまのところ導入予定はないという。

スマートEQ
smart EQ fortwo|スマートEQ フォーツーコントロールアプリで充電量などの各種情報をスマートフォンでチェックすることができる。

フォーツー、フォーフォーともに容量17.6kWhのダイムラーの小会社アキュモーティブ社製のリチウムイオンバッテリーを搭載。後輪を駆動し、瞬間最高出力は60kW、最大トルクは160Nm。一充電航続距離はフォーツーが159km、フォーツーカブリオが157km、フォーフォーが153km。0-100km/h加速はそれぞれ11.6秒、11.9秒、12.7秒。アクセルペダルを深く踏み込んだ際の印象はガソリンターボモデルに負けるとも劣らない。

そして後輪駆動のスマートならではの後ろから蹴り出されるような乗り味は健在だ。フロア剛性も高く、超ショートホイールベースながら乗り心地も悪くない。特にフォーツーは動き出しが明らかに軽く、走っていてとにかく楽しい。懐かしい言葉で表現するならば“街の遊撃手”だ。

エネルギー回生はアクセルオフで停止まで行ういわゆる“ワンペダル”走行はしない。これはメルセデスと同様、「できるだけガソリンエンジンモデルと変わらないドライブフィールを」というエンジニアのこだわりによるものだ。通常モードではレーダーセンサーを使用して、前走車との車間距離や坂の勾配などを測定し自動的に調整される。そしてECOモードではアクセルオフに対してより積極的に回生を行う設定になっている。

スマートEQ
ガソリンモデルではレブカウンターのあった所に、バッテリー残量などを表示するメーターが配置された。

充電に関しては、どこででも充電できる簡便性を重視して、日本の急速充電規格CHAdeMO(チャデモ)には対応していないという。試乗会ではスペインの市街地をメインに走りまわって120kmくらいは不安なく走行可能だった。家庭に普通充電充電設備があれば、夜間に充電して、通勤や通学など片道約60km圏内の往復のアシとしては十分に使える。静かでエコで、本来のコンセプトを再現したこれぞスマートの大本命だと思う。



文/藤野太一 写真/メルセデス・ベンツ日本 編集/iconic

<p>ボディサイズは、フォーフォー(写真)が全長3495×全幅1665×全高1554mm、フォーツーが全長2695×1663×1555mmとなる。</p>

ボディサイズは、フォーフォー(写真)が全長3495×全幅1665×全高1554mm、フォーツーが全長2695×1663×1555mmとなる。

<p>ルノートゥインゴとベースを共有するフォーフォーは、使い勝手の良い5ドアハッチバック仕立て。</p>

ルノートゥインゴとベースを共有するフォーフォーは、使い勝手の良い5ドアハッチバック仕立て。

<p>フォーツー カブリオもラインナップ。電動開閉式のソフトトップを備えている。</p>

フォーツー カブリオもラインナップ。電動開閉式のソフトトップを備えている。

<p>欧州の場合、22kWの3相ACであれば残量10%から約40分以下で80%まで充電可能とのこと。</p>

欧州の場合、22kWの3相ACであれば残量10%から約40分以下で80%まで充電可能とのこと。

<p>フォーツーのインテリア。インパネ回りは3モデル共に共通のデザインとなる。</p>

フォーツーのインテリア。インパネ回りは3モデル共に共通のデザインとなる。

<p>フォーフォーのインテリア。</p>

フォーフォーのインテリア。

<p>従来モデル同様の居住性を確保するフォーフォーのリアシート。個性的なドア内装パネルも従来モデルから踏襲されている。</p>

従来モデル同様の居住性を確保するフォーフォーのリアシート。個性的なドア内装パネルも従来モデルから踏襲されている。

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