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鈴木さんの私物カメラ
【鈴木さんの私物を拝見】もともとは20年くらい前に始めたというカメラ。しばらく休んでいたが、5年目くらいから、また撮り始めた。ともに愛用のライカで、左は1962年製M-2、右は現代のM-240。鈴木さん撮影の作品は後ほどご紹介するのでお見逃しなく。撮影/小澤達也(Studio Mug)

卒業するといよいよ、就職ですね。仕事探しは順調でしたか?

「6ヶ月の授業を終えると、研修許可書をもらえるので、それを持って自分で研修先を探さなくてはいけません。日本と違い、研修をしたい人が自分で会社に問い合わせをして研修先を探すのです。日本人の生徒はたくさんいましたが、彼らが『なんで学校が紹介してくれないの??』『自分じゃ無理』と言っていたのを覚えています。私は6ヶ月の学生期間中、すでに何件もアタックして、研修先は『フランチェスコ スマルト』に決めていました。常々、校長先生が『スマルトこそNO.1テーラーだ。スマルトとランバン以外は行く必要なし』と言うほど、スマルトは他を寄せ付けない圧倒的な技術力をもったテーラーでした」。

「そのときは渡仏当初と違い、語学力がつき、国家資格も取得したこともあって自信満々で研修に向かいました。2ヶ月の研修期間中、型紙は一切見ることも触ることもさせてもらえませんでしたが、縫いの部門でベテラン職人に付き、多くの工程を学ぶことができました。研修期間中、何度も人事部に『雇用してほしい』と掛け合いましたが、やはり労働許可証を持っていない私を雇用することは出来ないと断られてしまいました」。

雇用の壁をなかなか乗り越えられませんね

「校長先生からは『明日、TGVに乗って、ブリュッセルのNO.1テーラーへ行きカッターの研修をしなさい』とか、『明日朝8時半にサントノーレ通りのランバンへ行き、そこで2日間、試験を受けなさい』と言った具合に突然の手助けをいただきました。校長先生には、ものすごくかわいがってもらいました。ランバンでは人事的な都合もあり労働許可証を取得することは出来ないと言われてしまいました。雇用の難しさは日々痛感していました」。

【鈴木さんのコーディネイト提案 傑作選 PART3】(写真3枚)

鈴木さんがinstagramで発信しているコーディネイトの一部をご紹介

「校長先生のご紹介のお陰でブリュッセルのテーラーとパリのグランメゾンから、労働許可書付きで雇用したいとオファーをいただきました。しかも、それは夢にまで見たカッターとして雇用したいとの話でした。カッターの職を見つけること自体、ほぼ不可能に近いと考えていたので、とても迷ったのですが、よくよく考えた末、申し出を辞退しました」。

型紙を製作中。

型紙を製作中。

生地を裁断する鈴木さん。

生地を裁断する鈴木さん。

こちらも生地を裁断している様子。

こちらも生地を裁断している様子。

こちらが2019年にオープンした2つ目の店舗。

こちらが2019年にオープンした2つ目の店舗。

新店舗の画像も鈴木さん自身の撮影によるものだ。

新店舗の画像も鈴木さん自身の撮影によるものだ。

エレガントな店内。

エレガントな店内。

今回のコーディネイトではブルー系のグラデーションを意識している。ジャケット・シャツ・パンツ・ネクタイ・チーフ/ケンジロウ スズキ。シューズ/ジョンロブ。

今回のコーディネイトではブルー系のグラデーションを意識している。ジャケット・シャツ・パンツ・ネクタイ・チーフ/ケンジロウ スズキ。シューズ/ジョンロブ。

ふわりとスカーフのような雰囲気のタイ。存在感を強調するノットをずらした結び方が印象的だ。

ふわりとスカーフのような雰囲気のタイ。存在感を強調するノットをずらした結び方が印象的だ。

クラシックなデザインのハミルトンのウォッチ。

クラシックなデザインのハミルトンのウォッチ。

光沢が美しいジョンロブ。写真の既製品のほか、オーダーメイド品も愛用しているそうだ。

光沢が美しいジョンロブ。写真の既製品のほか、オーダーメイド品も愛用しているそうだ。

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