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夜はバーで更けていく

飲み足りないというわけではないが、バーに行ってみることにした。喧噪の後には、静寂が欲しくなる。まあ、自分勝手なものだ。最上階に位置する”VIEW BAR”は全面的に改装され、より落ち着いたムードになった。

14席のカウンターと68席のホール席があり、夜景をゆっくりと眺めたかったので、窓際の席へと案内してもらった。さっきとうって変わって静かな空間。部屋に戻ってしまうのがなんとなく惜しくて、ここでも数杯飲んだ。

シェフが目の前で焼き上げる絶品オムレツ

翌朝、あんなに飲んだのにスッキリとした目覚め。朝食をとりに1階へ向かった。ちなみにこちらのホテルは朝食が充実していることでも有名。いわゆるビュッフェスタイルだが、その賑わいもまたいい。

目玉はシェフが目の前で焼き上げるオムレツ。カラフルな3種類のオムレツがあり、ビーツの赤、青菜の緑、生海苔の黒と選べる。迷ったが、青菜の緑が美しくてそれに。オムレツの中にいれる具材やかけるソースも数種類あるのでバリエーションがかなり楽しめる。

また、フレンチトーストもベーシックなタイプのほかに、紅茶につけ込んだ黒いフレンチトーストがある。大人も子どもも楽しめる素敵なメニューだ。

歴史あるホテルが雄弁に語る、港町・神戸の今と昔。建物に込められた思いと常に進化しアップデートされる設備、そしておもてなしの心が三位一体となって、旅人を優しく迎えてくれる。潮風に吹かれながら「また、来よう」そう思った素晴らしい滞在だった。

後編へ続く

取材・文／藤村 岳