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日本橋エリアは名建築家の代表作の集合地

日本橋を歩いていると、石造りのクラシックな建物が多いことに気がつきます。

「このエリアは、三越・三井家が街づくりを始めたのですが、明治の名建築が多く集まっている点も注目すべきですね」

建築探検家という顔を持つ藤森先生の言葉通り、前述の日本橋を筆頭に、日本銀行本店、日本橋三越、三井本館、日本橋髙島屋など、明治、大正、昭和初期の素晴らしい建築群が狭いエリアにひしめいています。

「日本橋を散策するときに、これらの建築を見て回ったり、その時代に思いを馳せてみるのもおすすめなのです」

それぞれに歴史を持つ、件の建物群は細部の意匠にまでこだわり、今では再現できないような凝った作りになっています。

日本最大の石造り建築の密集地、日本橋。

【三井本館】

三井本館

「アメリカのトローブリッジ・アンド・リヴィングストン事務所により設計され、関東大震災以上の地震にも耐えうる強度を持つように施工されています。古典主義様式と呼ばれる荘厳な建築です」。(藤森さん)



【日本銀行 本館】

日本銀行 本館

名建築家・辰野金吾による歴史的名建築。「石積みの三階建ての本館に銅葺きのドームという威容を誇り、内装も見事な仕上がり。バロックやルネッサンスなど西洋建築の様々な要素を取り入れた傑作です」。(藤森さん)



【日本橋三越 本館】

日本橋三越 本館

日本初の百貨店として大正9年に完成。横河グループの創始者の横河民輔が設計。「豪華な外観と内装を誇り、幾度かの増改築を繰り返すも、その様子は変わることなく日本橋の象徴として親しまれています」。(藤森さん)



【常盤橋】

常盤橋

江戸城への玄関口として架けられた常盤橋。「現在老朽化のため架け替え工事が行われていますが、この橋も石造りの名建築です。建設当時、名人級の石工が集められ、東京最古の石橋が完成されました」。(藤森さん)



【日本橋】

「名橋・日本橋は江戸時代の木造から始まり(江戸東京博物館に江戸時代の実寸模型橋があります)、石橋へと何度もの架け替えを経て、現在の姿へと。アーチの石組み以外の部分の石の並べ方が独特です」。(藤森さん)


藤森照信さん

江戸東京博物館
館長
藤森照信さん


東京大学名誉教授にして、建築家としてだけでなく建築探偵として古今東西の名建築を発掘する独自の活動など、東京・日本の建築の歴史や在りように詳しい。



[家庭画報 2019年8月号別冊付録掲載の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)
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