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【秘訣その3】身体を動かしてもらう

 これはちょっと変化球ではありますが、効果は絶大です。たとえば社内の事業計画説明会などでは、自分の持ち時間は短くても、プレゼンターの数が多く、自分の話す順番は開始1時間半後……などという場合もあります。そういう場面でこれを取り入れると、場がリフレッシュされます。

 手軽なのは指の運動です。「指を動かすのは脳の活性化につながると言われていますからね……」などと言いながら、ちょっと頭を使った指の運動をしてもらうと、一発で聴き手の目が覚めます。

 私がよくやるのは、じゃんけんの手の形をとってもらうというもの。両手を肩の高さに上げ、「グー、チョキ、パー、グー、チョキ、パー」と、連続して両手で同じ形をつくってもらいます。これはそれほど難しくありません。

 今度は右手でグー、左手でチョキの形をつくります。次は右手がチョキ、左手がパー。そして右手がパー、左手がグー。左右で1つずつずれた形をできるだけ早く回転させていきます。これは大半の人ができません。ですから、あっという間に目が覚めます。

「みなさん眠そうだから……」とはっきり言ってはダメ

 ポイントは、「みなさん眠そうだから……」と言わないことです。「有意義な場になっていない」ということを、自分で認めていると受け取られかねないからです。「このところ繁忙期で、ちょっとお疲れの方もいらっしゃるでしょうから」「皆さん集中して聴いていらっしゃいますから、ここでちょっとリフレッシュしましょうか」といった理由付けが良いでしょう。

 以上、退屈させない、眠らせないコツについてご紹介しました。本筋としては聴き手のニーズに合った最適な内容・構成の話を準備することが最も大切。それでも、やはり現場で前述の対応ができると、さらに成果の上がるプレゼンやスピーチができます。ぜひ、やってみてください!

岩下宏一(いわした・こういち)[ビーユアセルフ代表]

1970年生まれ。鹿児島県出身。京都大学法学部卒。93年NTT入社、本社人事部配属。その後NTTコミュニケーションズ設立時の人事部立ち上げに参画。仕事の傍らミュージカル専門学校に通い、劇団四季オーディションに合格、エンタテインメントの世界へ。『ライオンキング』他3作品・500ステージに出演。2004年劇団四季退団、人材採用支援最大手・レジェンダ・コーポレーション入社。大小50社へのコンサルティング業務を経て、同社人事部長に就任。2014年独立、ビーユアセルフ設立。長年のビジネス経験とプロのミュージカル俳優として培った「伝える力」をミックスした「インタラクティブ・プレゼンテーション」のセミナーや研修に登壇。人事コンサルタントとしても活動中。

ダイヤモンド・オンライン

[ダイヤモンド・オンラインの記事を再構成]
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