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加藤近年ベンチャーを起業した若者などを見ていて、何か感じる部分はありますか? 弱音を吐いてちゃだめだよ、とか(笑)。

出雲ものすごく大変ですから弱音は仕方ないんですけど、正直なところ、日本ほどファーストペンギンが生まれにくい国はないなと思います。私が500社も訪ねなきゃならなかったのは、前例や実績がないような新しいものにはまず否定から入る国だからです。ただミドリムシが「伊藤忠の一押しです」となった途端、どこもかしこも「全部ください」と(苦笑)。良い意味でも悪い意味でもミーハーなのと、0を1にするのが最も難しい国だと思います。

加藤出雲さん自身も今は他のベンチャー企業を支援されていたりもするんでしょうか?

出雲例えば今あるものを改良して便利にするとか、ミドリムシなら大量培養するとかいう「技術」は、日本は絶対に世界一です。ただ、ミドリムシを健康食品にするとか、ミドリムシで作った燃料で飛行機を飛ばせば地球温暖化対策になるっていう「コンセプト」の作り方は、ヨーロッパやアメリカが本当にうまい。つまり、できるかどうかわからないということに対して日本では「やらないほうがいい」となり、海外では「やってみたらいいじゃん」となる。そこで日本はすごく損をしていると思います。だから、お金だけを支援するというより、一緒に第二、第三のミドリムシみたいなことをコンセプトから作って、共に世界に出ていきたいなと思っています。

加藤おっしゃるところのコンセプトを発想するときに、大事にされていることはありますか?

出雲ベンチャー企業は、お金も人も仲間も歴史も経験も何もない。ないないづくしだから、研究も技術もビジネスも宣伝も必死になって考えるわけです。今でも400人の仲間はそういう発想で頑張ってくれています。

加藤それが成功に結びついているのがすごいです。

出雲成功するまで、何でも試してみるっていうのが大事ですね。

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