どんな道を走っても楽しい
あまりにも気持ちいいので、街中だけではもったいないと、曲がりくねった峠道や農道っぽい道路など、色んな場所に持ち出して走ってみたが、どんなシーンでもその楽しさは変わらない。ブレーキやサスペンションがグレードアップしているので、ちょっとスピードが乗る峠でも安心してコーナーに入れるし、大きく・太くなったタイヤのおかげで車体を寝かせていく操作もスムーズ。そして、立ち上がりでアクセルを開けていくとリアタイヤがトコトコと地面を蹴る感触がお尻に伝わってくる。コイツと一緒に、もっと色んな道を走ってみたいと思わされる気持ちの良さだ。


サーキット走行だっていける
そんな「モンキー125」のフィーリングを味わってみたい人にオススメなのが、「レン耐」という初心者でも参加しやすいレース。バイクはもちろん、革ツナギなどの装備も全てレンタルでレースが楽しめるのだ。その手軽さから、多くのリピーターがいるレースだが、今年から「モンキー125」のクラスが新設されている。リリースされてから日の浅いモデルをレンタル車両として貸し出してくれるのだから、気になる人は多いはずだ。

そんなレースに、早速参加してみてきた。サーキットとはいっても、ミニバイク用のコースなので、それほど最高速が出るわけではなく、「モンキー125」でも十分に楽しめる。低回転のフィーリングが気持ちいい「モンキー125」だが、全開にすれば結構元気な走りを披露してくれる。足回りがしっかりしているので、高速コーナーからタイトなヘアピンまで、破綻する気配も見せることはない。それでいて、「モンキー」らしい急がされないフィーリングなので、「レン耐」のタイムだけにこだわらない楽しいレースの雰囲気と絶妙にマッチしていた。

街乗りから田舎道のツーリング、そしてサーキット走行まで幅広く楽しめてしまうのが「モンキー125」のいいところ。ここまで守備範囲が広くなったのは、エンジンと車体が大きくなったからこそだ。しかも、どんな速度域で走っても楽しい昔からの「モンキー」らしい乗り味はそのまま。このマシンこそ、日本の道に最もマッチした乗りモノではないかと思えてくる試乗体験だった。
取材・文/増谷茂樹