
一時代を築いたRAV4、新型が狙うマーケットとは?
昔のSUVはいくらライトテイストを伺わせようとも、ラダーフレームやリジッドサスといった構造の問題上、重たいとかハンドリングに不満があるといった、ヘビーデューティっぽさが残ってしまっていた。そんな中、1994年にトヨタ・RAV4がデビューを果たす。乗用車のプラットフォームを採用したことで、快適な乗り心地を手に入れ、特にハンドリングは乗用車的な軽快感によって、ライトテイストをアドバンテージとしていた。
初代モデルはすべてがトピックだった。CMに木村拓哉を起用し、それまでのカジュアルSUVの概念を一気に吹き飛ばし、ご存知のとおり大ヒットに至った。しかし、どんなモデルであろうとも大ヒットしてしまうと、次世代モデルも売れなければならないことが命題となり、いつしかそのキャラクターはコンサバティブになり、特にボディサイズの拡大が求められる北米マーケット向けを言い渡されると、その影を薄めていく。残念ながらRAV4もその道を辿り、2013年に4世代目がデビューしたにもかかわらず、日本国内では3世代目のままに販売が続けられ、数年前にフェードアウトしていった。
そこには北米市場向けにボディサイズを拡大していった結果、日本では大き過ぎるサイズになってしまったために導入を断念したという理由がある。実はRAV4が属しているのはミッドサイズSUVセグメントであり、特に北米市場では販売台数を競ってライバルがひしめいているところ。つまり、日本市場向けにとコンパクトサイズにこだわっていたら、グローバル向けには成功できない、それゆえに北米で受け入れられるサイズを採用した……、そんな事情がそこにはあった。