様々な人生経験を積み、多くの服に袖を通してきた男が「嗜好」する服やモノとは、何だろうか。身に纏い同じ時を過ごすことで、そこに何を「思考」するだろうか。王道の男が「シコウ」する本物に迫る。
エトロで嗜好する本物とは—世界を旅する色彩の物語
一般的に派手柄と思われがちなペイズリーの衣服も、”色彩の魔術師”エトロにかかると不思議と身に着けてみたくなる魔性を帯びる。その色彩美が類稀な感性に基づくことは間違いないが、もう1つ根源にあるのが、自然や世界中の文化への敬意だ。
今季のエトロがコンセプトに掲げるのは、サステナビリティ。栽培に必要な水量の少ないリネンなどのエコ素材を主役にした、風合い豊かな服を展開する。色柄は、ボルネオやインドネシア、西アフリカ等の伝統的な織物にインスピレーションを得ている。エトロは毎季、こうして世界の各地を”旅”しながら、新しい色彩を創造するのだ。奇をてらっては表現しえない、人間の根源的な美意識を刺激する力が、そこにはある。
陰影のペイズリー模様が佇まいへ深みを与える
ペイズリー3ピーススーツ

黒と濃緑の糸を用い、ジャカード織りでペイズリー柄を表現。光の具合によって、豊かな陰影を醸し出すウールスーツだ。ペイズリー柄のスーツと聞くと強烈な主張が想起されるが、ご覧の通り、その印象はシック。これぞペイズリーを知り尽くした、エトロの魔法である。
さらなる個性を添えるペイズリー+αの柄使い

コントラストを抑えた、濃緑×黒の落ち着きのあるペイズリー柄のスーツ。大柄の間には、木漏れ日のような優しい光線を彷彿させる、斜めのストライプが走る。エトロのペイズリー表現の妙を表すクリエーションといえよう。39万円(エトロ ジャパン)