10m先から目に飛び込んでくるようなあからさまなVゾーンコーデは無粋。1mの距離で初めてその人のセンスの良さが窺える。そんな控えめなバランス感が好感度を高めるのだ。

スーツ12万9000円/ヴァルディターロ、シャツ2万4000円/ギ ローバー(以上シップス 銀座店)
チーフ4000円/フェアファクス(フェアファクスコレクティブ)
細やかな凹凸がさりげない光沢を放つ
「梨地タイ」
日に日に陽射しが強まりゆくこの季節は、程よく光沢のあるタイを選ぶと胸元がぐっと明るくなり、春らしい爽やかさや新鮮なムードを高めることができる。そんな今、おすすめなのが”梨地”タイだ。梨地とは、梨の皮のような細かな凹凸が出るよう織り上げた生地のこと。上質シルクを用いたものならその凹凸が陽射しを反射し、角度によってさりげなく光沢を放ってくれる。さらにザラザラした織りは胸元の奥行きを深める効果も。光沢の強いシルクツイルほど華美になりすぎる心配はないので、シックな装いを旨とする方にこそ挑戦していただきたい。

1. DRAKE’S
ドレイクス
クラシックなレジメン柄ながら、細かく凹凸が効いた素材により洒脱な味も。生地端の手巻き仕上げで独特の柔らかなムードも醸し出す。モダンな英国調スタイルに最適だ。剣先幅8.5cm。2万円(渡辺産業プレスルーム)
2. ONLY
オンリー
生地は伊カネパ社製のリネン混シルク。一見ディープグリーンだが、経糸に濃紺糸を使用して深みある色調に。ネイビー系スーツとの相性も抜群だ。確かな仕立てで締め心地も良好。剣先幅8cm。7800円(オンリー)
3. KITON
キートン
梨地ならではの独特なテクスチャーと絶妙な色糸が浮かぶ赤茶カラーで、格調高くラグジュアリーな胸元が築ける。生地は比較的薄手で綺麗なノットが築けるのもいい。剣先幅8cm。2万9000円(キートン 銀座店)
4. UNIVERSAL LANGUAGE
ユニバーサルランゲージ
ブルーに赤の小紋を配したシルク生地はイタリア製。一見主張が強そうだが、表面の細かな凹凸とメランジ調の色合いにより落ち着きがあり、幅広いコーデに対応。剣先幅8cm。6800円(ユニバーサルランゲージ 渋谷店)
5. ORIHICA
オリヒカ
梨地のザラザラした風合いが際立つ明るいグレーベース。そこに紺と白の細ストライプを配し、清涼感ある1本に仕上げた。小剣側を紺ソリッドで切り替えた遊び心も面白い。剣先幅8cm。3900円(オリヒカ池袋東口店)
6. PLST
プラステ
ナローなネイビータイ。ツイルとは異なるほのかな光沢やメランジ調の色合いにより、ミドルも締めやすい。スタイルをモダンに仕上げたいときに活躍してくれそうだ。剣先幅7.5cm。2990円(リンク・セオリー・ジャパン)
[MEN’S EX 2018年5月号の記事を再構成]
撮影/柏田テツヲ(KIKI inc.)、若林武志 スタイリング/武内雅英(CODE) 文/吉田 巌(十万馬力)