ここ数年、トータルルックでのプレゼンテーションを重視しているドルモア。オレンジ、ピンク、ブルーといった挿し色的ニットを主役にしたコーディネートが際立った。
ビビッドな色だけでなく、こうしたモノトーンの組み合わせも。
柄ニット×柄コートも、色のトーンがあっていると意外に自然に馴染む。
1つの建物としてきちんと区画されたドルモアのブース。壁には、アイコン柄である「ビスコッティ」の模様があしらわれている。右が、ドルモアのオーナーであるミケーレ・チョッカ氏。
2018年秋冬のアクセントカラーはピンク、ローズ、ベリー、オレンジ系明るい色。
右は、ホールガーメントで編んだ100%カシミヤのニット。
縦の目は、3本に1本を針抜きして作る畦編み。この編み地の縦の目と、ボーダーラインの横の目が視覚的に交差して立体感が生まれる。
ボーダー×ケーブルの合わせ技に、さらに「ガルザート」と呼ばれる、ひっかいたようなシャギー調のあしらいをしたトリプルテクニックな1枚。
ニット本体で見るとかなり派手な印象もあるが、このようにコーディネートしてみると引き立ってスタイルの主役になる。
ネップのタートルニット。こちらもジャケットのインナーとして存在感を発揮。
シャギーボーダーのニットも、ピンクやオレンジを多用。
オレンジやベージュ系トーンも多く見られた。真ん中のベストは、定番の「ビスコッティ」柄を巨大にした「ビッグビスコッティ」。
大柄ビスコッティは、ベストだけでなく、ストールなどにも採用されている。
全面ビスコッティだとちょっと派手すぎるかも、、、という方には、裾周りにアクセントとしてビスコッティのライン入りのものも登場。
また、その逆に、3/4くらいはビスコッティ柄で、裾にボーダーラインをあしらったものも。
定番の元祖ビスコッティニットも、パープルトーンやピンク系で今季的に。
糸が切れやすくないか、機械で引っ張って強度を検査。
商品の置かれる店によって光の当たり方は違う。自然光、蛍光灯、オレンジがかった光など、4種類の光の当たり具合で、色の色が同じに見えるかも検査する。
糸の撚りが強すぎると、編み立ての際に強くよじれてしまうので、糸の撚り具合も検査する。
ウールの糸に関しては、60℃の糸で洗ってみて、前後の色の変化もテストする。
テストした糸は、サンプルとして台帳に貼り付け管理する。ここまで多角的に糸の検査をすることは、もともと靴下工場の「チョッカ」社も実践していたことだ。
厳しい検査工程をクリアした糸のみが編み立て機にかけられ、靴下やニットに形を変えていく。ドルモアの工場の機械は、このように最大6色の糸を撚り合わせることができるので、美しいメランジ糸が作れる。
編み立ての途中段階でも、編み目にムラやホツレなどがないか、入念にチェック。
ハイゲージニットの袖リブ部分など、細かい部分は職人が手作業でリンキングを行う。
細かい目でリンキングしていくのは、熟練の技術が要る。
編み立てた生地の一部は、サンプルとして「ピリング」検査をする。箱の中で7200回、回転させた後、毛玉になりやすいものは製品化しない。
フィニッシング工程では、編み立ての際に糸を滑らすために機械に含ませた油分を抜くため、2種類の水を混合して洗える機械を導入。
ミラノリブジャケットは、ラペル部分の目減らしも丁寧。
ブランドタグには、文字の後ろにシャドーでビスコッティ柄が。
強撚糸のニットポロは、シャリっとした感触で肌触りも心地よい。半袖ニットポロ3万円、半袖クルーニット2万3000円(以上バインドピーアール)
台襟も、背中から前のほうにかけて襟の高さを下げるなど、着たときの美しさが計算されている。
「スプーニャ」と呼ばれるパイル地ポロも人気。半袖パイルポロ2万9000円(バインドピーアール)