“手の感覚”を大切にした丁寧な仕事が着心地につながる
先に述べた通り、エルネストのジャケットは、その唯一無二の生地の色柄に加え、「とにかく軽くて、着やすい」というのが人気の理由の1つ。実際にパルマの工場に行ってわかったことは、マシンメイドでありながら、ミシンのガチャガチャという音が大きく聞こえず、袖つけや襟つけなどのマシンによる部分も、まるで手縫いのように手の感覚を大切にしながら、職人1人1人が丁寧に縫っていることだ。工場で働く職人たちもわずか30人程度で、ジャンフランコ・ボメザドリの工場に古くから勤める熟練たちが多い。中には60歳を超える熟練職人さんも。美味しい熟成クラテッロとパルメザンチーズ、そしてランブルスコが大好きな、パルマ人の温かな人柄と、仕事ぶりが、ジャケットにも伝わっている気がする。