ビジネスマンにとって、好印象や清潔感は大切な要素。特に季節の変わり目は、肌のバランスが崩れ、肌トラブルが噴出するタイミングなので、ケアには注意が必要と肌のプロは警鐘をならす。そこで今の季節に合った最新肌ケア事情を紹介する。

正しい肌ケアを知ることは大切なビジネススキルです!

男性美容研究家藤村 岳さん
All Aboutでメンズコスメのガイドを務めながら、テレビや雑誌で男性美容の重要性を説く。国内外のエステやスパにも造詣が深い。

松倉クリニック代官山院長
貴子先生
日本形成外科学会専門医。悩みに耳を傾け、心のケアも行い肌トラブルの根本解決を目指す。コスメやサプリの開発にも携わる。
季節、年齢に応じてケア方法はアップデートが必要になる
M.E. 営業やプレゼン、会食など、人と会う際は自分の印象を良くしたいもの。ビジネスマンにとって、身だしなみを整えるということは、今や、ビジネスマナーのひとつとも言われています。実際、肌ケア用品も増えていますが、まだまだ男性には敷居が高いのも事実です。 藤村 よく男性と女性で肌質やスキンケア方法、アイテムは違う?と聞かれますよね。 貴子 そうですね。男性は女性より皮脂の分泌量が多く、水分が少ない。だから脂っぽいのに内側は乾燥していて、実は繊細なんです。 藤村 いわゆるインナードライですね。表面はベタつくからケアしないって男性が多くて困りもの。 貴子 わかります。男性ホルモンが増える思春期から皮脂は急速に増加するのに保水力は低いから乾燥を訴える男性、増えていますよ。

M. E. 確かにアンケートからも、世代問わず、乾燥や敏感肌など、肌に自信が無い男性、トラブルを自覚している方もいらっしゃいますね。
貴子 若いうちは回復できますが、中年以降は老化の一途をたどります。最初は目の周りの小ジワから始まって、シミやたるみなどエイジングサインが現れます。
藤村 目を観察して、乾燥による小ジワがあったら要注意、と。貴子 年齢によってケア方法を変える必要があって、45歳を過ぎると今度は男性でも皮脂分泌が少なくなります。だから化粧水だけでなく油分を含んだ乳液やクリームが必須です。
M.E. なるほど。ちなみに、ちょうど衣替えのシーズンですが、季節によっても、ケア方法を変えていかないといけないのだとか?
藤村 そうですね。そもそもUV対策ができていない男性が多い。ですから、紫外線ダメージからのリカバリーがまずは大切。
貴子 夏の日差しのもと、マリンスポーツやゴルフをする人は紫外線の影響で皮膚が薄く、皮脂腺が少なくなるため小ジワやシミなど老化が早く出ます。プレイ後はシートマスクで保湿するなど特に重点的にケアを。
藤村 ちなみに、秋冬も引き続き日焼け止めで防御は必要です。
M.E. つい、”美白”は男性には関係ないと思って日焼けも放置してしまいますが……。ちなみに、ビジネスマンの理想の肌ってどのような状態なのでしょうか。
貴子 ツヤがあって、血色が良いこと。乾燥小ジワはダメだけど、笑ってできる表情ジワはあってもいいと思います。かえってそれが魅力的にも見えますし。
藤村 男の年輪みたいな。
貴子 そう! 肌が真っ白である必要はありませんが、日焼けしすぎも印象があまりよくないです。
M.E. やっぱり、日焼けは肌にも良くないんですね。そして、これから、冬に向けては乾燥にも注意しなければならないと?
貴子 夏のダメージからリカバリーしないと1シーズンで3歳も年をとると言われています。また、冬は寒さで代謝が低下します。すると肌の天然保湿因子の生産量も減るので、セラミドやヒアルロン酸の入ったローションで整肌してから美容液やクリームなどで保護しましょう。
藤村 結局、乾燥が大敵!
貴子 皮膚のバリア機能が低下しないように加湿器を使うなどできることはたくさんあります。日本人って清潔好きで温度の高いお湯で顔も体も洗いすぎています。でも、保湿成分を流出させるので気をつけて欲しいですね。
藤村 加齢臭が気になると、ついゴシゴシこすりたくなりますが、それは危険な行為なんですよね。
貴子 気温の低下やストレスの増加で末梢の血管が収縮して血流が悪くなり、乾燥が進みます。
[MEN’S EX 2018年11月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)