
“その空間でどんな体験をするか”をキーワードに、建築デザインを再考する
名建築といわれる建物を眺める時、多くの人は外部の形態に目が行きがちだ。だが本来建築は、「その内側での活動を内包するためにどのように建物の空間をつくるかについて考慮される」(序文)もの。本書は、空間の中でどんな体験をし、そのためにどんな内部空間を作るかという視点で建築を捉え直している。フランク・ロイド・ライト「落水荘」、コルビュジェ「サヴォア邸」などの近代建築家の作品や、ヴィクトル・ユゴーの小説、ジョルジュ・ブラックの美術作品からも空間を語り、新たな角度で建築設計の手法を明らかにする一冊。
DATA
『名建築は体験が9割』
ロバート・マッカーター:著
百合田香織:訳
エクスナレッジ
価格:2200円+税
[MEN’S EX2018年7月号の記事を再構成]
文/須永貴子、神山典子