横浜・日本郵船歴史博物館の『時計×航海』展が面白い!【松山 猛の道楽道 #021】

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松山 猛の道楽道(どうらくどう)


「時計×航海 —経度ヲ発見セヨ—」

時計の歴史、中でもマリン・クロノメーター開発の歴史に興味を持つ人にとって、見逃せない『時計×航海』という企画展が開かれている。
これは日本郵船歴史博物館とセイコーミュージアムの共催によるもので、古代から現代にいたる船舶の航法にとって重要な「自分の今いる位置」を確定するための、技術の歴史の細やかな解説や展示品が見ものだ。

松山 猛の道楽道(どうらくどう)

開かれているのは馬車道駅に近い、日本郵船横浜支店の1階を改装して開館した『日本郵船歴史博物館』である。この建物は戦前のものでファサードの列柱が美しいとして人々に知られている。

展示の内容は、古代の人々が山や岬などの地形を見ながら航海した「沿岸航法」といわれるものの時代から、中世のコロンブスたちが用いた、遠洋航海のための「推測航法」といわれる、出発点からの針路と航走距離によって推測する航法の時代。そして日本古来の航法、さらには、月の位置を暦によって読み取り、月と太陽または恒星との距離から経度を割り出す「月距法」などの歴史がわかる。

そしていよいよ英国王が賞金を出して競わせた、マリン・クロノメーターの時代となり、ジョン・ハリソンが完成させたマリン・クロノメーターの登場や、それに続いたジョン・アーノルドや、フランスのピエール・ルロワのデテント式脱進機の発明などの、機械式時計としての開発の歴史も詳しく説明されている。

松山 猛の道楽道(どうらくどう)

さらに日本地図を完成させた伊能忠敬も用いたとされる「垂揺球儀(すいようきゅうぎ)」という、天体観測用の振り子時計という時計の話など、これまで筆者も知らなかった面白い歴史が語られている。

最も興味があった日本におけるマリン・クロノメーターの開発についてのセクションでは、幕末にその製法を学ぶために、幕府暦局に働いていた大野規周という人物が、オランダにわたり、ブレゲの弟子だったアンドレアス・ホーヴゥの下で留学したという話や、1920年代に神戸海洋気象台が、海難事故を減らすためには、マリン・クロノメーターが重要性を持つと考え、岡田郡司がスイスへ留学し、ユリス・ナルダンで学んだという話など、これまであまり知ることのなかった、日本における開発の歴史を学ぶことができた。この企画展は2月の初旬までなので、興味のある方は博物館に足を延ばしていただきたい。

「時計×航海 —経度ヲ発見セヨ—」

日本郵船歴史博物館、セイコーミュージアム共催
会期:2019年2月3日まで
https://www.nyk.com/rekishi/exhibitions/event/tokei_koukai/

松山 猛の道楽道(どうらくどう)


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松山 猛 Takeshi Matsuyama

1946年京都生まれ。作家、作詞家、編集者。MEN’S EX本誌創刊以前の1980年代からスイス機械式時計のもの作りに注目し、取材、評論を続ける。

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