ブルックス ブラザーズ200年の歴史に思う【松山 猛の道楽道 #019】

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松山 猛の道楽道(どうらくどう)


ブルックス ブラザーズ 200年を記念する展覧会

アメリカを代表するファッションを生み続けてきた、ブルックス ブラザーズの創業は、今から200年前の1818年。200年前といえば日本はまだ江戸時代後期、明治の声がまだ聞こえてこない時代であり、その歴史の長さに驚かされる。

それを記念するブルックス ブラザーズの歴史展示が、新宿の文化服装学院の博物館で行われていたのを見に行った。(会期は2018年11月30日まで)

創業者のヘンリー・サンズ・ブルックスがかけていた眼鏡に始まり、エイブラハム・リンカーンのために作られたフロックコートや、歴代のアメリカンファッションを代表するスーツやシャツ、ジャケットやニットウェアなど、ブルックス ブラザーズに残されたアーカイブが惜しみなく持ち込まれ、アメリカンファッションの変遷が、数多くのポスターやその他の資料とともに展示されていて圧巻であった。

ニューヨークのマンハッタンの一画で創業した、小さな紳士服店がやがてアメリカを代表する、紳士服の老舗となっていく歴史も面白いが、歴代の大統領の多く、40人以上がブルックス ブラザーズのスーツを着てきたという事実にも驚かされる。

僕が少年から青年になるころに、日本でブーム化したアイビールックの原点がそこにはあり、当時人気があった若きアメリカ大統領ジョン・F・ケネディのファッションにあこがれた世代の一人として、とても懐かしいファッションのオンパレードに楽しい思い出までがよみがえったものだ。

松山 猛の道楽道(どうらくどう)

ボタンダウンシャツは19世紀末に、創業者の孫にあたるジョン・E・ブルックスが、英国に渡りそこで観戦したポロの試合の折、選手たちが風圧で襟が返らないようにボタン止めしているのを見て、アメリカに持ち帰り、再現したのが大流行を生んだ。

その後アメリカのファッションアイコンであった『グレート・ギャツビー』の著者、スコット・フィッツジェラルドが愛用したこともあり、「ポロカラーシャツ」と呼ばれるボタンダウンはアメリカンファッションの定番となったのだそうだ。

1970年代の初めごろ、アメリカに旅する僕に加藤和彦が、ブルックス ブラザーズのオックスフォード地のボタンダウンシャツを買ってきてほしいといい、マンハッタンの店に行き、友人の買い物とともに、僕がその時手に入れたのは、マドラスチェックのコットン地で作られたボウタイと、もう一本のウールのプリントのボウタイでそれらは今も僕のワードローブの宝物の一つだ。

2024

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