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本気でぶつかってきてくれる大人の方が、きれいごとを言う大人よりも有り難いです(加藤さん)

加藤参考にします。そして原監督はご一緒していると、なんだか元気になりますね!

だって、しょぼくれていたり、オーラのない指導者はだめでしょう!「この駅伝は勝てないかもしれない」という不安げな人には、学生だって付いてきませんよ。

加藤そういう思いになることもあるんですか?

ありますよ。でも、学生には見せません。ただ、今年の箱根駅伝の前は「お前たちの力が必要なんだ。これからの陸上界の発展のために、俺はいろいろな切り口で発信していく。そのためには強くないとだめだから、今回は勝とう」と伝えたりはしました。

加藤駅伝でどの選手をどの区間に配置するといった適材適所の見極め方は、リーダーや管理職を任されている『MEN’S EX』の読者にも参考になる部分もあるのかなと思うのですが。

専門職を最初からつくろうとしないことじゃないでしょうか。いろいろな部署を経験させてチャンスを与えることが大切で、長距離でも合宿などで様々なコースを走らせることで特性が見えてきます。そのうえで、その子の最大能力がどこにあるのか、見る目を持たなければならない。その目がない人は管理職になっちゃだめです。上も下もお互い不幸になります。

加藤本当にその通りですね。

レースに例えるなら、僅差で一発勝負をかけなければならないときは、振れ幅の大きい選手を起用して大逆転を狙う。あるいは絶対的に有利なレースのときは、博打に出る必要はないので、アベレージヒッターを配置するわけです。

加藤原監督のようなリーダーが増えれば、誰もが伸び伸びと個性や能力を活かせて、青学のような表現者が揃ったチームもたくさん生まれて、気概のある世の中になる気がしますね。

上が活かしがいのある人間になるためにも、若いときから熱く生きた方がいい。一度や二度の失敗は恐れずに、キャラが立った人を目指す。終身雇用の時代も終わったわけですし、これからは自分を認めてくれるところをその都度選んで、働けばいいと思います。

加藤原監督にライバルはいますか?

他校の監督というよりは、野球とかサッカーの方に運動能力の高い若者が集中してしまって、陸上人口が減ってしまうという危惧があります。今は1億2千万人いる日本の人口は、50年後には8千万人になると言われている。トレーニング法を議論する以前に、競技人口を担保するために根本的なところからメカニズムを変えていかないといけません。

加藤突破口はありそうですか?

例えば東京国際マラソンで一位になると1千万円、日本記録を樹立するとなんと1億円がもらえるんです。つまり、陸上を儲かる業界にしていかなきゃいけない。苦しくてもこれだけのご褒美があるという夢がもっと必要だと思っています。


カトMEMO

  • 人と本気でぶつかる、熱い想いが溢れ出ている!
  • 人に言われたことを気にせず「自分がこうだ!」と思ったら曲げない頑固さ
  • 人を見抜く力が優れている
  • 人をうながし、やる気にさせるのが上手!

スペシャルフォトギャラリー

[MEN’S EX 2018年5月号の記事を再構成]
撮影/柏田テツヲ(KiKi inc.) スタイリング/後藤仁子 ヘアメイク/陶山恵美(Roi) 文/岡田有加(edit81)

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