
DSをルーツとするだけであって、革新的なメカニズムをいくつか搭載する。エポックなのが、カメラが前方の路面状況をスキャンして凹凸を検知し、減衰力を調節するアクティブスキャンサスペンションだ。現代のハイドロニューマチックサスペンションともいうべきその装備によって、DSらしいソフトな乗り味を実現している。ドライブモードは「ノーマル」、「スポーツ」、「エコ」、「コンフォート」の4つだ。スポーツでは、アクセルレスポンスやステアリングの制御だけでなく、エンジンサウンドをスピーカーで増幅するギミックも搭載されている。先のアクティブスキャンサスペンションは、コンフォート選択時に機能するものだ。

またこれまでフランス車では導入が遅れていたADAS(先進運転支援システム)も一気に進化。夜間走行時に前方を赤外線カメラで監視し、人物や動物を人認識するナイトビジョンを搭載。またACC(アダプティブクルーズコントロール)は、車線内で少し右寄り、左に寄りにと位置をキープできるレーンポジショニングアシストを備えたことで、渋滞時に後方から迫るバイクのすり抜け対策に効果的な機能を備えるなど、実用性を高めた。
DS7クロスバックは、未来的なデザインと革新的なエンジニアリングというDSのもつDNAを現代に体現したモデルというわけだ。
文/藤野太一 写真/柳田由人 編集/iconic