時代を感じる独特なクルマ作り

モーガンの骨格は、鉄製のラダーフレームに木製のボディフレームを載せ、それをアルミや鉄の金属パネルで覆ったものだ。カタログ上の車両重量は795kg、車検証上は830kg。現代のクルマとしては驚異的に軽い。モーガンは現代でいうところのカーボンのような、軽量素材として木を使ってきたようだ。シート背後にある物置スペースなどのカーペットを剥がすと、木製パネルの一部を拝むことができる。

フロントミッドに縦置きされるエンジンは、フォード製1.6リッター4気筒DOHCで、112ps/132Nmを発揮。トランスミッションはマツダロードスター用の5速MTを組み合わせる。出力自体の数値は大したものではないが、ボディが軽いこともあって良く走る。トランスミッションも日本製だけあって特殊な作法は必要ない。クラッチも軽いし、シフトチェンジも小気味良く決まる。

足まわりは、フロントが独立懸架のスライディングピラー式、リアはリーフリジッド方式。聞き慣れないスライディングピラー式は、現在はこのモーガンのみが採用するものだ。サスペンションの動作範囲に制限があるが、軽量でスペースをとらないというメリットがある。大きな段差を越えたときなどは、ボディがブルブルと大きく振動するが、しかし想像していたよりも快適だった。ノンアシストのステアリングもさすがに据え切りだと少し重く感じるが、走りだしてしまえばまったく気にならない。ステアリングの中央付近では舵がきかないところもあるが、古いクルマにとってはお約束のようなものだ。