複雑時計の始まりを作った天才、アブラン-ルイ・ブレゲとは?

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【ブレゲの発明】1798
コンスタントフォース

時計の動力源であるゼンマイは、巻き戻るにつれ駆動力(トルク)が落ちていき、それに伴い精度も下がる。初代ブレゲは、主輪列の途中にゼンマイからのトルクをチャージする歯車と板バネを与え、チャージした定量のトルクで脱進機を駆動させて高精度を実現した。

一定のトルクで動かす高精度機構

特許出願時に添えられた初代ブレゲ直筆のコンスタントフォース機構図
特許出願時に添えられた初代ブレゲ直筆のコンスタントフォース機構図。歯車Dとつながる板バネで定量のトルクをチャージする。
 

【ブレゲの発明】1801
トゥールビヨン

初代ブレゲの発明の中でも、代表的な複雑機構。携帯する懐中時計は、さまざまに時計の向きが変わり、テンプにかかる重力方向も変化する。これが時計精度に悪影響を及ぼすと考えた初代ブレゲは、テンプと脱進機を回転するキャリッジに収め、重力方向の平均化を図った。

ブレゲを象徴する複雑機構の花形

トゥールビヨン
特許出願時の機構図。
特許出願時の機構図。回転するキャリッジBと一緒にテンプEも回り、重力方向を平均化する。この基本構造は、現在も変わらない。
 

【ブレゲの発明】1820
観測用クロノメーター(クロノグラフ)

時分針から独立した2本の秒針で、中間タイムや同時に動く二者間の秒差が計れるストップウォッチを発明。これにより、初代ブレゲはクロノグラフの先駆者となった。このモデルは、当時のブレゲ社のカタログには「二重秒針付き、観測用クロノメーター」の名で掲載されていた。

2つの秒針が備わるクロノグラフの始祖

観測用クロノメーター(クロノグラフ)
 

【ブレゲの発明】1830
巻き上げキーなし

当初、懐中時計のゼンマイは専用の長いキーを用いて巻き上げていた。初代ブレゲの息子アントワーヌ-ルイ・ブレゲは針合わせ用だったリューズに巻き上げのための機構を組み込み、キーを不要とした。この発明は彼が特許を取らなかったため、時計のスタンダードとなった。

天才の遺伝子を継ぐ二代目の発明

巻き上げキーなし
 

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