オフロード性能を高めたトレイルホークが快適な乗り心地
レネゲード4xeは前輪を1.3リッターターボエンジンで、後輪を最高出力60psの電気モーターで駆動する4輪駆動。通常であれば4×4と記すところだが、最後の4を電動化のeに変えて「4輪駆動の電動モデル」であることを表現した。うまいネーミングだ。
通常、PHVは車載バッテリーに充電された電力を優先的に使う。バッテリーの電力で走る限り、走行時にCO2を発生することなく環境に優しいと考えられるからだ。この点はレネゲード4xeもまったく同様。モーターの力で走るからエンジンは止まった状態で、つまりノイズや振動とは無縁。とても滑らかな走りが楽しめる。しかも、力強さは十分。ちなみに、電気の力だけでも最高速度は130km/hに到達するそうだ。
実際のところ、バッテリーがそれなりに充電されている限り、エンジンの出番は基本的にない。ただし、素早い加速が必要になってアクセルペダルを大きく踏み込むとエンジンが始動して電気モーターを補助。この状態では最高速度が200km/hに跳ね上がる。停止状態から100km/hまで加速するのに要する時間も7.5秒と、なかなかの瞬足だ。ちなみにバッテリーを満充電にしておくと電気の力だけで48km走れるらしい。ちょっとした買い物には十分なスペックだし、かりに電気を使い切ってもガソリンで走行できるので立ち往生する恐れはなく、安心だ。
乗り心地は、豪華仕様のリミテッドよりオフロード性能を高めたトレイルホークのほうがしなやかで快適だった。これはトレイルホークが悪路走破性を高めるためにサスペンションストロークを長めにとっていることと、タイヤにソフトなオールシーズンタイプを装着していることの相乗効果だろう。
いっぽうの装備面でいうと、リミテッドではレザーシート、シートヒーター、アダプティブクルーズコントロールなどが標準装備となっているが、オフロード性能重視のトレイルホークにはこれらを装備できない。価格はリミテッドが498万円で、トレイルホークが503万円と僅差。豪華装備を取るか、快適性と悪路走破性を取るかで、大いに悩みそうだ。
文/大谷達也 写真/茂呂幸正 編集/iconic