エンジンは373ccの水冷単気筒。44PSとこのクラスのシングルエンジンとしてはハイパワーだ。乾燥重量は149kgと軽量なので、スペックだけを見ても熱い走りを予感させる。スロットルを電子制御するライドバイワイヤーが採用されているのも、このクラスでは珍しい。そのパワーを受け止める足回りもハイスペックで、倒立式のフロントフォークとリアサスペンションはともにWP製。フロントブレーキはBYBRE製のラジアルマウントだ。

またがってみると、ライディングポジションもかなり独特。タンクの前後長が詰められていて、着座位置はかなり前寄りだ。オフロードバイクやモタードモデルを得意としてきたKTMらしいといえばらしいのだが、ハンドル形状はモタードマシンのように幅広ではなく、形状も絞りがあるロードマシンっぽいもの。シート高は低く、足つき性は良好だ。


乗り味も個性的だが楽しい
走り始めると、エンジンは相当元気がいい。単気筒エンジンらしく鼓動感はあるものの、回転上昇は俊敏で、かなり”回る”特性。回っていく感覚が気持ちいいので、どんどんアクセルを開けたくなる。実は、これがKTMのマシン作り。すこし前までは“READY TO RACE”という標語を掲げていたくらいで、マシンはそのままサーキットに持ち込んでも闘えるスペックを持っていた。「DUKE」シリーズはストリート向けモデルだが、そんな血統がしっかりと受け継がれている。
